〈結論〉新NISAの非課税枠は「最速5年で使い切るのが有利」である理由【資産8,000万円のサラリーマン投資家が解説】
株は値動きがあまりないことも多いですが、こうした凪(なぎ)の状態や値下がり局面でもキープしていられるかどうかは投資家の精神力にかかっています。また、非課税枠を「コツコツ埋める」か「最速で埋める」か、どちらの意識を持つかでも資産増加のスピードは変わります。本記事では『新NISAはほったらかしが9割』(双葉社)から著者の長田氏が、新NISAで資産形成するにあたって必要なメンタルや非課税枠の使い方について解説します。 【早見表】年収別「会社員の手取り額」
恒久的な新NISAでは「揺れないメンタル」が一層重要に
新NISAが今年1月から始まり、日本人の個人投資家にとって資産形成の大チャンスがやってきました。しかし、これまでの一般口座での取引同様、投資する際にメンタルが大切なことは変わりません。いや、これまで以上に大切になったとも言えるでしょう。 自著『株はメンタルが9割』でも書きましたが、株式投資にあたってはメンタル(投資家心理)が非常に重要な要素になっています。たとえばAという同じ銘柄を同じ株価で購入した場合でも、儲かる人と損する人がいるのはなぜでしょうか。 株価というのは常に上下に動いています。その銘柄がいかに良い銘柄であろうとも、一方通行で順調に値上がりしていくケースは非常に稀です。ときに投資家を振るい落とすかのように値下がりしたり、ほとんど値動きがない凪の状態に留まっていることもあります。 いえ、株というものは値動きがあまりない、じりじりとした状況のほうが多く、順調に値上がりするケースのほうが少ないのです。そうした凪の状態や値下がり局面で持っていられるかどうかは投資家のメンタルにかかっています。 その銘柄のファンダメンタルズ自体(業績、将来性など)に変化が生じているならばともかく、有望銘柄である確信を持っているならば、株価の揺さぶりに心まで揺れてしまっては勝てる投資家にはなれません。 株式の有名な名言に「株の利益は我慢料」という言葉がありますが、株価の動きに惑わされずに我慢して持ち続けられるかどうか、それはひとえにメンタルにかかっているのです。私はよく「投資家脳」という言葉を使いますが、“勝てる投資家脳”になれるかどうかはメンタルがどうあるかにかかっています。 一般口座での投資はもちろんですが、新NISAではメンタルがさらに重要になります。今までのNISAの期間限定(5年間)の非課税枠と異なり、恒久的な非課税口座で投資しているのですから、有望銘柄を購入したら慌てずにじっくり構えて保有して利益を得ることが肝心です。そのためには投資家として目先の動きに惑わされない、“揺れないメンタル”を持つことが大事なのです。