DeNA・坂本裕哉、表情ににじむ自信 森原と東の支えが飛躍の足掛かり
【球界ここだけの話】その表情から自信がほとばしる。DeNA・三浦大輔監督(50)は、継投時のマウンドで後を託す坂本裕哉投手(26)に球を手渡す際、左腕の成長を実感するという。 【写真】母の散髪でビシッと決めたDeNA・牧 「任せてくださいという顔でボールをもらいに来る。メンタル面がだいぶ強くなりましたね」 坂本は2020年に立命大からドラフト2位でベイスターズに入団。デビュー戦の先発登板で初勝利を飾った1年目に4勝を挙げたが、その後は思うように成績を伸ばせず、昨季は13試合の登板にとどまった。 勝負の5年目は開幕1軍こそ逃したものの、5月上旬に戦列に加わると、中継ぎとして存在感は増すばかり。地位を確立しつつあり、僅差でリードする場面での登板を託されるようになってきた。 「球威を高めるトレーニングに励んできた。困ったら真っすぐでストライクを取れる自信がある。それが余裕につながっている」と自己分析。150キロに迫る直球には打者を押し込む力があり、三浦監督も「腕の振りが強くなった。ゾーン内で勝負できる良さがある」と評価する。 昨オフはチームメートで先輩の森原に初めて師事し、後輩の徳山、中川虎とともに鍛錬を積んだ。「ウエートトレーニングもランニングもきつかった。練習にはメリハリがあって、追い込む日は徹底的。理にかなっていると思った」と振り返る。 坂本にとって、抑えの森原は練習姿勢や投球術を手本とする存在。ともにブルペンを支える徳山と中川虎は高め合う間柄だ。「(後輩2人に)負けたくない。森原さんのように勝利がかかる場面で一日でも早く投げたい」という熱意が、飛躍の下地を築いた。 さらに、立命大の2学年先輩でもある東の支えも力とする。詳細こそ〝企業秘密〟というが、同じ左腕の大黒柱に助言を仰いでおり「左バッターに対してどういう考え方で勝負しているかとか、いろいろ質問をさせてもらっている」と明かす。 心身の充実が自信の源にある。「マウンドでは今まで以上に余裕を持ち、なおかつ熱くなれている」。くすぶっていた26歳が、殻を打ち破る。(鈴木智紘)