東部チャソフヤルで激戦続く ロシア軍、一定の前進も運河で停滞 英国防省分析
ロシアによるウクライナ侵略で、英国防省は12日、攻防が焦点化しているウクライナ東部ドネツク州の小都市チャソフヤルで露軍が限定的な前進に成功したほか、チャソフヤル南東の集落イワノフスコエを制圧したとみられると分析した。 英国防省は「チャソフヤルの市街地での激戦が伝えられている」とも報告。一方で、露軍がウクライナ軍の抗戦により同市東部を流れる運河を越えられていないほか、露軍は歩兵主体で死傷率が高いとも指摘した。 ドネツク州バフムト西方に位置するチャソフヤルは高台にある要衝で、過去数カ月間にわたり戦闘が続いている。露軍はチャソフヤルを制圧し、全域の掌握を目指すドネツク州の中心部方面への進軍ルートを確保する思惑だとみられている。 ウクライナ軍は12日、中部ドニエプロペトロフスク州クリボイログの集合住宅などに露軍の弾道ミサイルが着弾し、民間人9人が死亡、子供5人を含む29人が負傷したと発表した。ウクライナのゼレンスキー大統領は「テロだ」と非難した。 ウクライナ国防省情報総局のブダノフ局長は12日、露軍が5月中旬から攻勢を強めており、前線が「困難な時期」にあるとしつつ、「ハルマゲドン(破滅)は起きない。われわれは耐え、勝利する」と述べた。報道陣への発言としてウクライナメディアが伝えた。