「明日で監督との旅が終わるのは寂しい」 アカデミー賞授賞式前日に開催された、『PERFECT DAYS』記者会見の模様をL.A.からレポート!
第96回アカデミー賞が、日本時間の2024年3月11日にハリウッドのドルビーシアターで開催される。それに先立ち、日本時間の3月10日に在ロサンゼルス日本国総領事館公邸において、アカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされている『PERFECT DAYS』のヴィム・ヴェンダース監督と役所広司、柄本時生、麻生祐実による記者会見が行われた。otocotoでは、いち早く現地からのレポートをお届けする。 第96回アカデミー賞レッドカーペットの準備が進む中、国際長編映画賞にノミネートされている『PERFECT DAYS』の監督ヴィム・ヴェンダースと役所広司、柄本時生、麻生祐実が囲み取材に出席した。終始和やかな雰囲気で、ヴィンダース監督は、「ときどき、役所さんのことを平山と間違えて呼んだりするんだ」「カンヌ映画祭からはじまった旅がもうすぐ終わることが少し寂しい」「平山はスーパーヒーローじゃないけれど、真の人生のヒーロー。この映画を見て、ファンメールを送ってくれた人たちの言葉はどんな賞をもらうよりも、嬉しいし、広司のおかげだ」とコメントし、キャストへの気遣いを忘れなかった。 監督は日本アカデミー賞の監督賞を受賞したことについて、少人数のスタッフで作り上げた映画だが、脚本の高崎拓馬さん、プロデューサーの柳生康二さんに大きく助けられたと感謝。前日に行われたアカデミー協会のパネルディスカッションでも、日本アカデミー賞の監督賞にノミネートされたことについて触れ、「1977年にはじめて日本を訪れてから、日本は常に心の故郷となっていた」と答え、この映画で、「主人公平山を演じていた役所広司さんの演技を見ているうちに、まるでドキュメンタリーを撮っているように平山に魅入られて、まさに木漏れ日の下で、自らを自由にするような、心地よい感覚に包まれながらカメラを回した」と話した。
宮国訪香子 (L.A.在住映画ライター)