内村光良『LIFE!』は「ギリギリを攻めたい」 ムロツヨシが「水泳に通っていただいて体力維持を!」と激励
NHKのバラエティー番組「LIFE!」の座長・内村光良と草創期メンバー・ムロツヨシによるスペシャル対談および取材会が開催され、スタジオコントの魅力や印象に残っている収録、同番組に期待することなどについてトークを繰り広げた。 【写真】手振りを交えながら熱く語る内村光良 ■12年続いたわけを聞かれ、ムロツヨシ「準備力」 2012年9月からスタートした同番組は、2024年で放送12周年を迎える。9月16日(月)、23日(月)には2週連続での「12周年SP」の放送を予定しており、同番組の初期を支えたムロツヨシが、3年ぶりに参加。さらに、川口春奈、今田美桜の参加も決定し、計3本のコントに出演する。 12年続いたわけを聞かれた内村は「一時期、1年だけ毎週やっていたことがあって。あの時は危なかったです。水増しで質が落ちていって」と振り返り、「年に数本制にしてから質が維持されるようになった。ネタを生みだしていく作業は大変なんです。このペースになってから、長持ちできるようになったんじゃないかなと思います」と話した。 ムロは「準備力」と表現し、「台本や演出、アイデアだったり、そこに合わせていける時間を設けたり、緊張感だったり、そのクオリティーまで持っていこうっていう人たちの集まりがあるからなんだろうなって思います」と続けた。 ■スタジオコントの魅力は「暗い所でやっているところ」 そんなスタジオコントの魅力については「暗い所でやっているところです(笑)」と内村。「ホコリまみれのきったない、暗い所で笑いを作っていくことが、世界観が好きだなって思っていたんでしょうね。だからずっとやっている感じです」としみじみ。 長い間、ともに収録を行ってきた2人にとって、忘れられない収録を尋ねられると、ムロは「エレベーターの中で、カップ焼きそばをメガネで食べるっていうコントがあったんです。箸はないけどどうしても食べたいんだっていう」と言い、「あの時は『2人っきりでコントやってる!』って思いました。密室だからすごく記憶に残っていますね。楽しかったです」と声を弾ませた。 続けて「テレビの前で見てきた人間なので、テレビの向こう側に行ける人間ではなかった。内村さんがレギュラー番組をやっている時、僕はフジテレビの真ん中のスペースで迷路を作っていた人間ですから。大道具のバイトで。中に入れないんですよ。駐車場のスペースまでしか行けてなかった人間が、NHKで2人っきりでコントやってるって。カメラがちゃんと撮ってくれて。『LIFE!やっているな。内村さんとコント番組やっているなって思いましたね」と感慨深げな表情で語った。 ■座長・内村は「声を荒げることは一切ない」 プライベートでも親交がある2人。内村は、ムロの印象について「行っちゃったな…って感じ。寂しかったですよ」と吐露し、「映画にしろドラマにしろ、こうやって『LIFE!』で共演していたのは良かったなと思います。またこうやって帰ってきてくれることもうれしいです。果たしていつまで『LIFE!』を続けられるか分かりませんが、体が動くうちは、俳優・ムロツヨシをゲストに迎えるまでは、主演・ムロツヨシをゲストに迎えるまでは、まだ頑張ろうと思います」と言葉に力を込めた。 これを聞き、ムロは「『LIFE!』時代の経験がなければ、豊臣秀吉にもなっていなかったでしょうから。座長もそうですが、いろいろな経験値を持って参加させていただいて、暴れるなり、皆さんを支えられる人間になれたらいいなと思って過ごしております」と話した。 反対に、ムロが思う座長・内村の魅力は「怒ること、声を荒げることは一切ない」と明かす。「その中でも、ずっと番組が続いていっている。番組のテイスト、緊張感が変わっていないところは、内村さんが出す背中の大きさだったり、感覚だと思います。3年ぶりに参加させてもらい、これを継続することのすごさを再確認しています。人柄では、ずっとやってきた経験値を、みんなに無言で伝えてくれているところもあるんだろうなって思います。言葉ではないからこそ、受け継ぐものが出てきているだろうなって」と称賛した。 最後に、これから13年目に突入する同番組に期待することについてトーク。ムロは「継続がどれほど難しいことかっていう。ただ続ければいいってものではないので。この時代、日々面白いってことが激流のように変わっていく中で、それでもアンテナを立ててコントを作っていくのが大事だと思います」と持論を述べる。 内村は「ギリギリを攻めていきたいです。攻めていくっていう姿勢は恐れずにやっていけたらなと。そこらへんの加減は非常に難しいと思いますが、あまり怯まずにやっていけたら、続ける意味があるのかな」と同番組にかける思いを口にする。 「あとは私の体力がいつまで持つか。健康であり続けなければいけないという感じですね。もうちょっとは、体力が大丈夫だろうと思うので、もうちょっと続けられるよう頑張りたいと思います」と意気込んだ。 これに、ムロは「内村座長には頑張っていただきたいと思います! これからも水泳に通っていただいて、体力維持を!」と励ましの言葉をかけていた。 ◆取材・文=大野代樹