オリックス・頓宮

　「楽天０－５オリックス」（１７日、楽天モバイルパーク） 　甘い球は逃さない。追加点が欲しい場面では、勝負強さを発揮する。打席に立つオリックス・頓宮の姿からは、強打者の風格が存分に漂っていた。決勝ソロを含む１本塁打、４打点の大暴れ。「いいスイングができた」。両手に残る感触が心地良かった。 　まずは、二回１死走者なし。フルカウントから岸が投じたチェンジアップが、真ん中に甘く入った。完璧に捉えた頓宮の打球は、左翼方向へ美しい放物線を描く。今季２号ソロを突き刺し、勝利への流れを作った。 　２点リードの七回２死満塁では、伊藤茉から右翼線に走者一掃の３点適時三塁打をマーク。本塁打と適時打の打席は、それぞれ追い込まれてからの対応。打席の中で即座に切り替えた、ある“工夫”が大きかった。 　それは、足の上げ幅を少なくしたことだ。第１打席。浅いカウントの時には通常通り足を上げるフォームで臨んだが、２ストライクとなり「ボールが長く見られていなかったので」と左足の上げ方を変更。動きをコンパクトにし、好結果につなげることができた。 　試合前の早出練習や全体の打撃練習でも足の上げ幅が少ない打ち方を試していた。「準備でやることをやって、それが今は良い結果につながっていると思います」。一時は打率・０４５まで落ち込んだ昨季の首位打者が、間違いなく本来の姿を取り戻しつつある。