インド株式市場、時価総額5兆ドル突破-モディ政権3期目を好感
(ブルームバーグ): インド株式市場の時価総額が初めて5兆ドル(約788兆円)を突破した。モディ首相の新たな連立政権が政策継続を約束したことが追い風となっている。
ブルームバーグがまとめたデータによると、インドの株式市場は先週、時価総額が5兆ドルを超え、米国や中国、日本、香港の仲間入りを果たした。4兆ドルから5兆ドルに達する期間は約半年間だった。
総選挙で単独過半数割れを喫したモディ首相のインド人民党(BJP)だが、主要パートナーから十分な支持を得て連立政権を樹立し、同首相の3期続投が確実になって以後、インド株は新たなピークを更新している。
S&Pグローバル・レーティングが5月下旬にインドの格付け見通しを「安定的」から「ポジティブ(強含み)」に引き上げたことも、インド株の魅力を高めた。
インドの格付け見通し、「ポジティブ」に引き上げ-S&P
ゴールドマン・サックスのストラテジスト、スニル・コウル氏は、主要閣僚の大半が留任した新政権の発足は「政策の継続性を広く確認するもの」だと指摘。
同氏は先週のブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、インド市場は引き続きマクロ経済が極めて安定し、企業の増益も続くと予想され、株高をけん引するだろうと語った。
インド株が大幅高-選挙結果受けた値下がり分、帳消しにする勢い
ここ数年の株価上昇で特徴的なのは、何百万人もの若いインド人が株式投資を始めたことだ。ブルームバーグの集計データによれば、銀行や保険会社を含むインドの資金が今年260億ドル以上の株式を買い入れ、外国勢は約34億ドルを売却した。
ムンバイを本拠とするエララ・キャピタルの調査責任者ビノ・パティパランピル氏は、「かつて圧倒的な強さを誇った外国の機関投資家は、もはや市場をけん引する唯一の存在ではなくなっている」と話した。
それでも、選挙結果を受けて、オフショア投資家の関心は戻り始めている。
野村ホールディングスのストラテジスト、チェタン・セス氏は、「外資系の地域ファンドやインド専門ファンドからインドに投資されるのを待つ資金が潤沢にあるようだ」と分析。「外国人投資家は主にバリュエーション懸念からインド株を十分に持つことができず、依然としてアンダーウエートとしている」と述べた。