【深ヨミ】京都を代表するバンド10-FEETのシングルの販売動向を調査
2024年7月15日付のBillboard JAPAN週間“Top Singles Sales”で、10-FEETの『helm’N bass』が12,194枚を売り上げ6位を獲得した。(集計期間2024年7月1日~7月7日) その他の画像 『helm’N bass』は、10-FEETの前作『アオ』から3年4カ月ぶりとなるシングルで、表題曲「helm’N bass」は“アサヒスーパードライ×3x3.EXE PREMIER 応援ソング”として書き下ろされた。 ここでは、10-FEETのシングルの販売動向を、SoundScanJapanのデータを使用し調査した。 まず、10-FEETのビルボードジャパンが調査を開始した2008年以降発売したシングルの、2024年7月7日までの累計販売枚数と、発売初週の販売枚数及び初週のシングルセールスのランキング順位を調査し、グラフ化したものが図1()である。 初週販売枚数、累計販売枚数ともに最も高い作品は2016年に発売した『アンテナラスト』で、初週販売枚数29,515枚、累計販売枚数44,050枚となっている、その後の3作『ヒトリセカイ×ヒトリズム』『太陽の月』『ハローフィクサー』は全て初週2万枚以上を達成している。コロナ禍に入り2020年発売の『シエラのように』はシングルセールスの初週販売数は減少していたが、シングルのリリースをデジタルのみ切り替え「aRIVAL」、「第ゼロ感」、「Re方程式」とリリース。中でも「第ゼロ感」は、Billboard JAPAN週間Hot100で4位、週間Download Songsでは首位獲得と大ヒットとなっている。今作『helm’N bass』はその後の初のフィジカルでのリリースで、前作まで減少傾向だったが、久しぶりの前作越えとなった。また、初週・累計の販売枚数を見ると2020年以降大きく減少しているように見えるが、ランキングを見ると『アンテナラスト』以降は7作連続で初週セールスランキングが4位から6位の間で安定しており、一般的な楽曲のフィジカルセールス離れが進む中、実際は安定した人気を維持しているといえるだろう。 次に今作『helm’N basss』の初週地域別販売比率を調査し、グラフ化したものが図2()である。また、一般的なシングルの販売比率とも比較するため、2024年に入ってから販売された全てのシングルの販売比率も全シングルとしてグラフに追加している。 このグラフを見ると、関東地方の比率が28.3%(以下かっこ内全シングル:57.4%)と全シングルと比較して極端に低く、他の地方は全て全シングルと比較して高くなっている。その中でも地元の京都府を含む近畿地方は22.2%(14.9%)と極めて大きくなっている。 更に、調査対象を近畿地方に絞り、都道府県別の初週販売比率を調査しグラフ化したのが図3()である。 このグラフを見ると目を引くのが京都府7.4%(1.0%)であり、一般的なシングルの実に7倍以上の比率となっていて、京都を代表する夏の大型フェス「京都大作戦」を主宰する等、京都の音楽シーンをけん引している事が結果として表れていると思われる。 地元での非常に高い支持があり、業界の大多数のアーティストがフィジカルセールスに苦戦する中、「第ゼロ感」以降の初のフィジカルシングルが前作越えする等10-FEETのこれからの活躍から目が離せない。