【速報】JR東日本 千葉・久留里線末端区間の鉄道廃止方針表明 1987年比で乗客9割減 収支率はJR東管内ワースト
千葉県の房総半島を走るJR久留里線(木更津・上総亀山間 全長32.2キロ)の一部、久留里・上総亀山間(9.6キロ)についてJR東日本は鉄道としての運行を廃止し、バスなどに転換する方針を表明しました。今後、地元自治体などと協議したい考えです。 JR東日本千葉支社は27日午後の記者会見でJR久留里線の末端部の久留里・上総亀山間の鉄道の運行を終了し、バスなどを中心とした新たな交通体系に転換したい考えを明らかしました。 また鉄道として残る木更津~久留里間との接続も考慮し、現在の鉄道の本数以上のダイヤの確保や、病院や高校、観光地などへのルート設定も行い、利便性向上を目指したいとしました。 鉄道廃止の時期について土沢壇千葉支社長は「できるだけ早く」として、具体的な時期は示しませんでした。転換後のバスなどの自動車交通の運営主体については「今後、君津市などと協議したい」として、JR東日本として運営に関与するかは明言していません。 今後、地元自治体などの同意を経て、廃線が正式に決まれば、1936年に開業した同区間は約90年の鉄道としての歴史に幕を閉じることになります。 久留里線の同区間をめぐっては、2023年、JR東日本千葉支社が「乗客が大幅に減少し、鉄道の特性としての大量輸送のメリットを発揮できていない」として、地元自治体の千葉県や君津市に申し入れ、同区間の今後のあり方を話し合う「沿線地域交通検討会議」を設置。 同年5月から、学識経験者や沿線3地区の自治会代表も交えた協議が続いていましたが、2024年10月、同会議は「自動車中心の交通体系への移行により、より利便性の高い地域公共交通が実現すると考えられる」との報告書をまとめていました。 同区間では現在、1日下り8本上り9本の列車が運行されていますが、2023年度の利用者数はJR東日本発足当時の1987年の時点と比較し、約92%減少しています。 またJR東日本は2023年度の1キロあたりの1日の平均乗客数が2000人未満の36路線72区間の収支について発表していますが、同区間は100円の収入を得るのに1万3580円を必要とする計算で、収支率はJR東日本管内でワーストとなっていました。 JR東日本管内のローカル線が廃線となるのは、災害で被災した路線を除くと、会社発足以来初めてのこととなります。