【解説】トランプ氏当選確実で何が変わるのか? ~アメリカの“トップ交代”がヨーロッパと中東にもたらすもの
■ウクライナの“出口戦略”は?
ウクライナ情勢にも影響を与えることは必至です。ロシアによるウクライナ侵攻は3年目に入りましたが、現時点で出口は見えていません。 「アメリカ第一」を掲げるトランプ氏はかねて、ウクライナでの戦闘を終わらせ、アメリカの多額の軍事・財政支援を終わらせたいと明言していて、ウクライナ支援に後ろ向きな姿勢を示しています。最近の集会でも、「私は撤退する。私たちは撤退する必要がある」と訴えていました。 こうしたトランプ氏の姿勢を歓迎する向きもあります。ロシアに融和的なハンガリーのオルバン首相は、トランプ氏の勝利宣言を受け「アメリカ政治史上最大のカムバックだ」「世界にとって必要な勝利」と祝意を示しました。 以前からトランプ氏への支持を表明していて、投開票前に「トランプ氏が勝利するなら、ヨーロッパはウクライナ支援を再考すべきだ」という趣旨の発言をしています。 ウクライナはNATO=北大西洋条約機構やアメリカからの軍事支援に頼っていて、ロシアに対抗するためには両者の支援が欠かせません。トランプ氏はNATOからの脱退もちらつかせており、今後、ヨーロッパ各国の足並みが乱れる可能性もあると不安視されています。