米国に広がる大谷、マエケンの今オフ移籍情報
話をメジャー移籍を希望している広島の前田健太に移すと、国際スカウトは大谷の時とは一転して、言葉少なだった。マエケンもまた2日の阪神戦で7回を1失点。11勝目を飾ったが、評価は高くはない。 「私自身は、今年はまだ彼のピッチングを見ていないが、見たというスカウトからは“あまり良くない”という話を耳にする。このままなら、本人が移籍を望んでも、望むような契約を得られないかもしれない」 前田の現在の数字は、21試合151回3分の1を投げて、9勝7敗、奪三振は130個で、防御率は2.32と、勝ち星には恵まれていないが、成績そのものは昨年とさほど変わらない。だがスカウトの目には、物足りなく映るらしい。 「このオフに前田の場合は、ダルビッシュや田中がメジャーに来た時のような、マネーゲームにはならないだろう」 ただ振り返れば、マリナーズの岩隈久志がメジャーに来る際の評価も低かった。マリナーズの1年目の年俸は、わずかに150万ドル(約1億8000万円)である。となれば、第2の岩隈として、マエケンを狙って動くチームもあるのかもしれない。 いずれにしろ大谷もマエケンも海外FA権はもっていないため、球団が移籍に合意した上でのポスティングとなる。まだ日ハムで3年しかプレーしていない大谷の電撃的なメジャー移籍を球団が認めるのかも含めて、今オフの日本人メジャーリーガーの誕生を巡っては、水面下での動きが激しくなってきた。 (文責・丹羽政善/米国在住スポーツライター)