ゴルファーが多い60代が一番“カスハラ”をしている事実! 「お前」呼びで一発アウトになることも⁉
顧客等が理不尽なクレームや要求をするカスハラ(カスタマーハラスメント)。そんなカスハラをする人の年代は、日本最大の産業別労働組合である、全国繊維化学食品流通サービス一般労働組合同盟(略称:UAゼンセン)の調査によると60代が最多だという。 同伴者のスカートの中が見えそう! 紳士的に対応したいけど、こんなときどうしたらいいの⁉ 「『レジャー白書2022』によると、ゴルフ人口は60~70代が50%、男女比率は男性が80%(CCCマーケティング調べ)を占めています。そのことを鑑みると、ゴルフ場にはハラスメントや“お客様は神様”が当たり前の時代を生きてきた年代の男性が多いといえるかもしれません」と話すのは、日本ハラスメント協会代表理事の村嵜要さん。 また、40~50代のゴルファーによるカスハラは、特に仕事関係者と来ているときに「いいところを見せたい」という心理が働き、過大な要求をするケースが多いようだ。 「日常から離れて気が大きくなっていたり、富裕層の中には“自分は特別扱いされて当然”と勘違いしていたりする人がいる点も、ゴルフ場におけるカスハラの傾向といえるでしょう」と、村嵜さんは指摘する。 もちろん大多数のゴルファーは礼儀正しく過ごしているわけで、ごく一部の“暴君”の言動ばかり注目されたのではたまったものではない。とはいえ「お前!」と呼びかけていたりすると、たとえよかれと思ってスタッフに伝えた意見でも、正当なクレームではなくカスハラとされるケースもあるので、注意が必要だ。 「一般ゴルファーができる対策としては、まずカスハラの意味を理解すること。誰もがカスハラの加害者になり得ることを意識して行動することが大切です」 正しくクレームをつけたい場合は、「原状回復のみを目指し、それ以上の過大なサービスを求めないことです」と村嵜さんが言うように、冷静な態度と口調で必要な内容だけを伝えるように心がけることが大切だ。 では実際に、“クレーム”と“カスハラ”の違いはどこにあるのか。ゴルフ場で起こりうる例をもとに、村嵜さんに解説してもらった。 ■ケース1 キャディバッグの車への積み下ろしがセルフのコース。腰痛持ちの年配者には骨が折れる作業。思わずスタッフに、「値下げもせずに納得いかない。お前がやれ!」と伝えた。 【解説】 これはアウトです! 「お前がやれ」という命令口調の暴言と過大な要求は、カスハラに該当。希望通りにならなかったことに腹を立てて暴言を吐き、ヒートアップする典型例です。そもそも料金と提供サービスに同意して予約、来場したはずでしょう。 ■ケース2 スロープレーの注意を受けたが、乗用カートが古くて遅いため「ボロカートのせいだ。これ以上速く走れないんで無理」とクレームをつけたら、あとから支配人が新たなカートを持ってきた。 【解説】 これはセーフ! 支配人は、客のクレームが正当であると判断したと考えられます。客側も、スロープレーの指摘に対して無視することなく向き合っています。「ボロカート」という表現は若干不適切ではあるものの、人に対する侮辱ではないため、この状況下ではカスハラには該当しません。 ■ケース3 フェアウェイはモグラの掘り跡でボコボコ、鹿の糞もいっぱい。コースコンディションがあまりにもひどいため、怒った同伴者がスタッフに「ちゃんとやれ!」と文句を言った。 【解説】 これはアウトです。「ちゃんとやれ!」という命令口調の暴言はカスハラに該当。実際にコースコンディションが悪く正当なクレームの範囲内であったとしても、この発言ひとつあるだけでカスハラに当たります。コース管理に対して冷静な態度、口調で苦言を呈するのであれば、正当なクレームの範囲内となります。 ゴルフは紳士のスポーツといわれてきた。だからこそ、ゴルファーは紳士淑女となり、スタッフとともにゴルフ場をより良い場所にしていくことが望まれる。 解説/村嵜 要 むらさき・かなめ/一般社団法人 日本ハラスメント協会代表理事。ハラスメント専門家。東京都の2022年度「ハラスメント防止対策推進事業」アドバイザー。パワハラ撲滅を目指して2019年に同協会を設立。テレビや新聞等でも解説を行っている。 ◇ ◇ ◇ そんなに着心地がいいの⁉→関連記事【石川遼が「冬ゴルフは毎日これを着ちゃうかも!」と大絶賛! 試合でも2日連続で着用したウェアとは?】をチェック!