共同通信の“内部文書”が明かす、生稲氏の靖国参拝誤報はなぜ起きたのか
■ 「メディア不信を増幅させるような重大な事案」 共同通信社が加盟各社の編集責任者に示した文書では、経緯がすべて解明されているわけではない。文書は「靖国神社の現場にいた記者や官邸担当記者は共有された情報について本人確認を含めた確認作業を実施したかどうかについて記録や記憶がありません」と記している。 文書には、当時はコロナ禍でマスクを着用するケースが多かった、NHKはカメラマンも出入りを確認するなどしていたといった事柄も記されているが、自社のデスクらがどう判断したかなどの経緯も説明できていない。現場にいた時事通信社の記者も退職しており、経緯を聞き出せないという。わずか2年前の取材でありながら、間違った経緯すら正確に把握できない状況だ。 高橋編集局長は文書の最後で関係者へのおわびを記し、「メディア不信を増幅させるような重大な事案だと深刻に受け止め」ていると強調している。しかし、メディアの信頼はすでに低空飛行を続けているうえ、外交問題まで引き起こした以上、その回復は容易ではない。 共同通信社はJBpressの取材に対し、「弊社ホームページで説明しております通りです」と回答した。
JBpress