イランの攻撃実施、市場に新たな波乱リスク-警戒される報復の連鎖
(ブルームバーグ): イランがイスラエルに対する前例のない直接攻撃に踏み切ったのを受け、週明けの金融市場は地政学リスクを強く意識した展開となりそうだ。今回の攻撃が報復の応酬に発展することが警戒される。
【イスラエル】イラン報復攻撃、大半を迎撃-ハマスは戦闘休止拒否か
根強いインフレと高金利長期化の見通しに投資家がすでに動揺する中、中東情勢の緊張激化で市場には新たなボラティリティー要因が加わることになる。
昨年10月にイスラム組織ハマスがイスラエルに奇襲攻撃を行って以降、多くの市場関係者が最も恐れていたのは、イランが紛争に直接関与するようになることだった。それが現実となった今、原油価格は1バレル当たり100ドルを突破するとの見方が強まっている。紛争拡大を受けた逃避需要から米国債や金、米ドルなどに資金が向かい、株式相場では売りが強まることも予想される。
イランによる攻撃実施を受けて一気に高まった緊張は、その後の展開を受けて幾分緩和するかもしれない。イラン側は、イスラエルによる強い反応がなければ、一段の攻撃を実行することはないだろうと説明。またバイデン米大統領はイスラエルのネタニヤフ首相に対し、イランに対する報復攻撃を米国は支持しないと伝えたとも報じられている。
イラン、作戦継続する意思ない-イスラエルも報復自制か
プルリミ・ウェルスのパトリック・アームストロング最高投資責任者(CIO)は「こうした局面での投資家の自然な反応は安全資産への逃避だ」と指摘。「イスラエルの対応次第で市場の反応は多少変わるだろう。イスラエルがさらに状況をエスカレートさせなければ、リスク資産を安値で買う好機になるかもしれない」と述べた。
実際、暗号資産(仮想通貨)ビットコインは14日に反発。前日はここ1年余りで最も大きく下げていた。
ビットコイン反発-中東情勢の悪化見通しを投資家が消化
イスラエル、サウジアラビア、カタールなど中東各地の14日の株式相場は薄商いの中で小幅な下げにとどまっている。