京島の電気湯で能登「あれから1年」展 被災地の日常を墨田から発信
能登の日常を伝える展示「能登『あれから1年』展」が1月5日、電気湯(墨田区京島3)で始まった。能登半島地震発生から1年、豪雨から4カ月を迎える中、被災地の日常を墨田から伝える。主催は「みききする能登。(すみだ経済新聞) 【写真】能登「あれから1年」展 企画したのは、同団体の代表で2021年から珠洲に通い1カ月暮らしていた経験がある浅見風さん。浅見さんは「珠洲市にあるあみだ湯を拠点にしているNPO法人ガクソーのメンバーとの付き合いがあり、以前からの友人であった電気湯スタッフの彩音さんや電気湯を経営するエイントカンパニーの大久保勝仁社長が6月に来てくれたことが、この企画の原点だった」と振り返る。 展示では、昨年12月に能登を訪れた企画メンバーが現地で行ったインタビューやアンケートを元にした写真や音声作品を公開している。銭湯という生活空間に展示することで、能登での日常をより身近に感じられる場を作ったという。 同団体代表の浅見風さんは「災害の影響を受けてもなお、しなやかに暮らし続ける能登の人々の姿を東京の人たちに伝えたい」と話す。 会場となる電気湯は1922(大正11)年創業で、墨田区で長く親しまれている老舗銭湯。浴室や待合室を使った写真展や地域物産展などを開いている。「電気湯での開催は、9月にあった豪雨の直前、東京で展示会場を探していたときに大久保さんから連絡をもらったことがきっかけ」と浅見さん。 展示では、被災地の厳しい現状だけでなく、能登の美しい風景や暮らしの魅力にも焦点を当てている。浅見さんは「湯に浸かりながら、日常の延長線上で能登を感じてもらえれば」と話す。 期間中、トークイベントや朗読会も予定。1月11日には「見聞きし、伝え、続けていくこと」をテーマにしたトークイベント、26日には「地震日記」著者・鹿野桃香さんを招いた朗読会を、それぞれ行う。 浅見さんは「ひと通り編集などの準備をしてきて思うことは、能登がいま置かれている状況や、いまだに厳しい環境で生活を強いられている人がいること。この展示を受けて、1人でも多くの方が関心を持っていただき、能登へ想いを寄せたり、実際に足を運んでいただけたら」と期待を寄せる。 営業時間は15時~24時(日曜は8時~)。土曜定休。料金は、大人=550円、小学生=200円、幼児=100円。サウナ=400円(レンタルタオル1枚付き)。1月31日まで。
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