セクハラですよ!唐沢寿明「ハラスメントゲーム」ためになる部分
15日にスタートしたばかりの唐沢寿明主演ドラマ「ハラスメントゲーム」(テレビ東京系、月曜22時)が、「勉強になる」と評判だ。同ドラマは今年春から新設されたテレ東の新たな「ドラマBiz」枠の第3弾となる作品で、脚本は「白い巨塔」はじめ数々のヒット作で知られる井上由美子氏、メイン監督を「コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-」などの西浦正記氏が務める。唐沢がスーパー大手企業「マルオーホールディングス」のコンプライアンス室長・秋津渉役を演じ、毎回1話完結でさまざまなハラスメントが描かれていくのだが、その内容が具体的に解説されるので、「知っておいて損のない知識が得られる」というのだ。
各種ハラスメントをテロップ付きで紹介
第1話では、マルオースーパー練馬店で、1円玉がメロンパンに混入するという事件が発生。種々の状況から社員によるパワハラ絡みの犯行が疑われた。パワハラを理由に富山に左遷されていた秋津(唐沢)がコンプライアンス室長として本社に呼び戻され、解決に当たる。最初こそ対立した顧問弁護士の矢澤光太郎(古川雄輝)や、コンプライアンス室の高村真琴(広瀬アリス)も、個性は強いが大きな器でさまざまな人間の機微に触れながら事態を解決していく秋津に魅了されていく。 物語の核となったメロンパン事件以外にも、第1話では秋津の言動を「セクハラになりますよ」と高村がとがめるシーンや、矢澤がパワハラは上司から部下に対するものだけでなく、部下から上司に対するものもあり、立場とは関係なしに存在することを説明するシーンなどが、テロップ付きでわかりやすく見せられていた。
“ハラハラ”って何? ハラスメントの認識を新たにする人も
「いわゆる“お仕事ドラマ”は、実際の職場でどの程度役に立つのかは別として、少なくとも知っておいて損のない知識が得られるといえます。『ハラスメントゲーム』はその典型で、一つ一つのハラスメントがわかりやすく解説される。こうした問題に疎い人も、少なくない。長年同じ会社に勤めていると、社外では通用しない常識も社内では常識だったり、感覚が麻痺する場合もありますからね。こんなこともうっかりするとハラスメントになるのか、と認識を新たにする人もいるはずです」と、スポーツ紙の50代男性記者は話す。 実際、ハラスメントは多岐に渡り、第1話にも登場したが、「ハラハラ」なるハラスメントも存在する。これは、たとえば同じミスを幾度も繰り返す社員に注意したらパワハラだと言われ、いったいどちらが悪いのか判断つかなくなってしまうようなケースが該当するという。 「ハラスメント・ハラスメントの略で、ハラスメントを大義名分に、何でもかんでもハラスメントだと主張して周囲を困らせる社員をハラハラ社員といいます。ハラスメントはあってはならないことですが、それを逆手に取る人まで出てくる時代になったということでしょう」とは、週刊誌の40代男性編集者。
もちろん、ただの解説なら専門家などを招いて解説番組を作ればいいのだが、「ハラスメントゲーム」はドラマを楽しみながらハラスメントに対する知識や発見ができるのがキモだ。本社社長役の滝藤賢一、役員役の佐野史郎、高嶋政宏ら、脇を固める共演陣も個性的で実力派がそろう。また、毎回のゲスト出演者も楽しみだ。 第2話では、開店間近の新店舗で余貴美子演じる大竹満寿子をはじめパート18人が突然辞めると言い出したことから騒動が始まる。今度はいかなるハラスメントが登場するのか。 (取材・文・志和浩司)