マッサン夫妻が暮らした場所へ ── 大阪市交通局の街歩きイベントに788人参加
大阪市交通局主催のまち歩きイベント「大阪まち・再発見・ぶらりウォーク」の追加特別編「『竹鶴政孝とリタ』のまち住吉・帝塚山を往く」がこのほど、大阪市内で開かれた。マッサンゆかりの住吉大社、摂津酒造跡などをめぐるなど、参加者は人気ドラマで関心を呼ぶ「マッサン夫妻」の暮らしぶりに思いを巡らせながら、歴史ある街並みの散策を楽しんだ。
ポイントで職員が案内・マイペースで進める利点
集合場所は地下鉄四つ橋線玉出駅北改札。参加者は近くの玉出西公園に移動して受付を済ませ、コースマップと缶パッジを受け取って、随時スタート。帝塚山古墳、住吉大社、摂津酒造跡から、熊野街道、阿倍晴明神社、天下茶屋跡を経て岸里駅に至る約9・5キロのコースだ。 付き添いのガイドはつかないものの、市交通局の有志職員がコースに沿って待機して道案内。重要ポイントでも職員が案内役をこなすという方式だ。参加者にはマイペースで進める利点がある。 帝塚山古墳は国の史跡で、イベントに合わせて特別公開された。階段を上ると視界が広がり、前方後円墳の小高い丘陵から、閑静なお屋敷町が一望できる。女性参加者のひとりは「せせこましい毎日を忘れるほど、優雅な雰囲気が漂っていますね」と感動していた。
マッサン勤務の酒造会社井戸跡や住居推定地も
NHK朝の連続ドラマ「マッサン」は、国産ウイスキー作りに挑んだマッサンこと竹鶴政孝と妻のリタの愛情物語。夫婦でウイスキー作りに挑むドラマの前半の舞台は、大阪・住吉かいわいだった。竹鶴政孝が当初働いていた摂津酒造が住吉区内にあった。同社の跡地は現在、市営住宅や神ノ木公園になっており、公園の一部に同社が使用していたとみられる井戸の跡が残っている。 井戸跡を見つけた大阪市内在住の60歳男性は「マッサンの功績にふれることができてうれしい」と興奮気味。「マッサンは地方から大阪へ出て来てひと旗あげ、北海道で成功した。マッサンのチャレンジ精神は現代の大阪人もぜひ見習いたい」と、力説する。女性グループは「大阪の誇る名所として、きちんと顕彰してほしい」とアピールしていた。 マッサンゆかりのポイントがもう1カ所、竹鶴夫妻住居推定地だ。ふたりが住んでいたのは阪堺電車姫松駅周辺の帝塚山地区で、厳密な住所は特定できないものの、借家で新婚時代を過ごしていた。歩いて数分の万台池公園まで夫婦そろって足を伸ばしたことだろう。