写真：AV Watch

アユートは、qdcと共同企画で誕生したユニバーサルイヤフォン「SUPERIOR」から、さらに一歩踏み込んだ音楽体験を得られるよう、qdcとFitEarがタッグを組んでアップデートしたエクストラモデル「SUPERIOR EX」を5月11日に発売する。価格は33,000円。 【この記事に関する別の画像を見る】 SUPERIOR EXで使えるバランス接続用ケーブル「SUPERIOR EX Cable 4.4」も同日に11,000円で発売する。 ■ 史上初の2大カスタムIEMブランドコラボレーション 既存のSUPERIORをベースに、FitEarの協力を得て共同チューニングを施したのが「SUPERIOR EX」。「史上初の2大カスタムIEMブランドコラボレーション・ユニバーサルIEM」だという。 SUPERIORは、「より多くの方にプロ用カスタムIEMブランドならではのフィッティングと音のレスポンススピード、サブベース再生を体感してもらう」事にフォーカスして開発されたコンセプトモデルのエントリー機だが、SUPERIOR EXはそこから一歩踏み込み、「より音楽が持つ広大なダイナミクスの再現に注力し、更に幅広い楽曲へのマッチングをさせることを目的とした」という。 その企画コンセプトに共感したFitEarも参加して開発。「互いにリスペクトしあう2大カスタムIEMブランドの史上初のコラボレーションとして、EXに込められた3つの意味、EXECUTIVE、EXTRA、EXPERIENCEをユーザーへ提供し、音楽鑑賞、モニタリング、ライブステージ、ゲームに至る幅広い用途において、得られる音楽体験を更にグレードアップする」という。 ユニットは、10mm径シングルフルレンジのダイナミックドライバーを搭載。過渡特性(トランジェント)を重視した正確な音楽再生、幅広い再生音域と全帯域に渡って自然で調和の取れたサウンドを再生するSUPERIORの特徴はそのままに、再生音圧を上げても破綻しにくいようピークが生じる部分を抑制。「本来音楽が持つ広大なダイナミクスの再現に注力した」という。 チューニングの意図:FitEarコメント 音楽が有する小さい音、大きい音(この差がダイナミクス)を取りこぼすことなくキャッチするためには、再生する環境を整えた上で、ある程度音圧を上げて再生する必要があります。特にハイレゾ音源のようにコンプレッションをなるべく施さない音楽ソースでは必要不可欠です。いわゆるハイゲイン/ハイコンプレッションのようにダイナミクスを圧縮した音源は、音量を上げにくいような再生環境(自宅のテレビやステレオ等)、もしくはノイズフロアの高い騒音環境(店内 BGM やカーラジオ等)では、音源側で再生環境が許容するナローなダイナミクスに適合させることでこの取りこぼしを回避しています。 イヤーピースで耳穴を遮蔽するカナルタイプはノイズフロアを下げるとともに、音漏れを防止することで再生環境が許容するダイナミクスを拡大することができ、整備されたオーディオルームのように初めてダイナミクスを大きく取った音源の鑑賞のための条件が整います。 こうした条件であっても、再生音圧を上げようとした際にピークが大きく生じてしまうと、そのピークに合わせた音圧以上に上げることができません。特に 3KHz～7KHzあたりの周波数帯域は耳につきやすく、またカナルタイプではピークが生じやすい帯域でもあります。また、この最後のピーク(高周波域)は肩特性に影響し、ピークが大きいと相対的に急に高域が減衰したように感じる場合があります。 今回のSUPERIOR EXのチューニングはこうしたピークを抑制することで、音圧設定時天井となっていたピークを取り払い、より音圧を上げる条件を整えることを目的としています。またその結果として、音楽ジャンルや楽曲がそれぞれ有する特色を表現するための「余裕」を得ることができます。 チューニングをより活かせるよう筐体素材を変更。複数に渡るテストの末、アルミニウムを採用。シェルとフェイスプレートにアルミ筐体を採用したことで、共振を抑制し、細かなサウンドディテールの強化と、程よい低音域の余韻を出すことに成功したという。アルミ筐体でも、軽量で快適なフィッティングは維持したという。 付属ケーブルも変更。チューニングと製品コンセプトに合わせて、よりダイナミックレンジと深いサブベース再生をユーザーが体感できるよう、複数のケーブルをテストした中から、オリジナルの銀メッキOFC導体4芯線ケーブルが採用された。黒のPVC被膜で覆い、手触りも滑らかで取り回しも優れるという。 プラグ部には金属スリーブを使用した3.5mm 3極アンバランスのストレートプラグを採用。イヤフォン側はカスタムIEM 2pin(0.78mm)。プロ向けとして通常採用しているqdc 2pinコネクターと異なり、ケーブル互換性が高いため、「オーディオ愛好家の方がよりポータブルオーディオとしての楽しみ方を広げやすい」という。 10mm径シングルフルレンジのダイナミックドライバーを搭載し、振動板には真空成膜技術を使用した複合膜を採用。高い均一性を持ちながら、高い剛性、高品質、軽量という特徴を持ち、高周波においても美しく滑らかな再生が可能という。 ドライバー部には独自の同軸デュアル磁気回路とデュアルキャビティ構造を採用した。ダイアフラム駆動用磁気回路をドライバーの内外にそれぞれ使用することで磁束密度を高めており、トランジェントに優れた駆動を実現。内部の空気圧を段階的に最適化する二層キャビティー構造によって、低歪なサウンドも追求している。 付属品も充実しており、堅牢で持ち運びに便利なシックなブラックカラーのオリジナルキャリングケースが付属。装着時に耳への負担を軽減するリサイクルシリコンを使用したシングルフランジのqdcTips Soft-fitイヤーピースが3サイズ(S/M/L)、ライブ/モニタリング時など外れにくさを重視するダブルフランジイヤーピースが3サイズ(S/M/L)、クリーニングツールも同梱する。 周波数応答範囲は10Hz～40kHz。入力感度は100dB SPL/mW。インピーダンスは16Ω。外音遮断は26dB。 ■ SUPERIOR EX Cable 4.4 4.4mmバランス対応の銀メッキOFC導体4芯線リケーブル。黒のPVC被膜で覆われ、手触りも滑らかで取り回しも優れるという。コネクターは、カスタムIEM 2pin。プラグ部には金属スリーブを使用した4.4mm 5極バランスのストレートプラグを採用している。長さは約120cm。