JX金属がひたちなか新工場の伸銅品投資見送り
JX金属は6日、ひたちなか新工場(茨城県ひたちなか市)で当初予定していた圧延銅箔と銅合金板条への投資を見送ると発表した。通信端末関連などの需要増加ペースが当初予定を下回るとみられるため。投資総額は当初予定から500億円減り、1500億円となる。伸銅品関連設備の代わりに、日立事業所(同県日立市)のリサイクル集荷設備や分析設備などが同工場に入る。 同社は2022年3月にひたちなか新工場の建設予定を発表。将来的な半導体関連需要拡大に対応するため、半導体用スパッタリングターゲットや圧延銅箔、銅合金条などの生産拠点として建設する計画としていた。ただ、中国の景気減速などに伴うスマートフォン需要低迷などにより、足元まで圧延銅箔や銅合金条の在庫調整が長期化している。「伸銅品の需要は中長期的に拡大するとの想定は変わらない」(同社)としつつも、投資時期を見直した。 なお、半導体用スパッタリングターゲットの増強投資は予定通り行う。人員規模も500人以上と、当初予定から変更なし。 同工場の試運転開始時期は従来計画通り25年度とするが、投資計画の見直しにより本格操業開始時期は1年遅れ26年度以降とする。 一方、日立事業所では昨年9月の台風13号で被害を受けており、構内物流の面で支障が出ている。その復旧に向けた検討を進めた結果、リサイクル関係設備をひたちなか新工場に移管することとなったと同社は説明する。