訳あって国内トップシェア 業務用マッサージチェア「特化」で拡大 医療機器の制御盤など製造の技術力
特集は国内トップシェアを誇る長野県内企業です。紹介するのは業務用マッサージチェアを製造する企業。開発秘話や生産現場を取材しました。
長野市の温泉施設。湯上りの客がマッサージチェアでリラックスしていました。 利用客: 「気持ちいいです。いろんなところ押して、人間の手に近い感じ」 こちらは業務用マッサージチェアの「あんま王」。国内トップシェアの製品です。
製造しているのは木島平村にある1983年創業の「相生電子」。
相生電子・城田充晴取締役: 「こちらが製造現場になっております」 基本的な組み立ては海外で行っていますが、こちらの工場でパーツの取り付けや試験、出荷までを行っています。
従業員が「もまれて」検査―。 相生電子・城田充晴取締役: 「医療機器になりますので、法定の電子検査を経て、最終的には外観・品質。中に乗った時の音の具合など、乗りながら検査」
販売開始は2012年。 マッサージチェアを設置・運営していた日本メディックから開発を持ち掛けられたのがきっかけです。 医療機器の制御盤などを製造してきた技術力を見込まれてのことでした。
相生電子・城田充晴取締役: 「ものをつくれる相生電子と、市場ノウハウを持っている日本メディックがパートナーとして一緒に組んで『あんま王』という商品を世に生み出した」
記者が体験―。 (記者リポート) 「完全にリラックスした状態で全身をもんでもらっています。すごく気持ちいいです」
他社が家庭用の機器に料金の計算機能などを付けて「業務用」としてしている中、相生電子は開発段階から「業務用」に特化。 最新モデルには「フェイスフード」がついています。 相生電子・城田充晴取締役: 「人がすっぽりと埋まるような、プライベートスペースが十分確保できるようなデザインと構造が大きな特徴」
最近は温浴施設だけでなくショッピングモールなどにも設置され、当初、年間500台程度だった販売台数は年々増加。 2023年は既に2200台余りに上っています。
価格は1台約58万円。家庭用の機器との競合のため把握が難しいものの、納入業者などの話から国内のシェア率は6割から7割程度とみられています。 相生電子・城田充晴取締役: 「まだまだ市場は大きくて、どんどん設置・活用いただくシーンが増えてきていると思う。まだまだ業務用市場、今までマッサージチェアがあると思わなかった場所にこれから広げていきたい」
長野放送