ソロで躍動の中島健人『しょせん他人事ですから』、山下智久『正直不動産』の両ドラマに通じる爽快感
今年3月にSexy Zone(現timelesz)から離れ、ソロタレントとして活動している中島健人。ソロ始動後、初のドラマ出演となる『しょせん他人事ですから ~とある弁護士の本音の仕事』(テレビ東京系)が好評だ。テレ東金曜20時台とまだ認知度の低いドラマ枠ながら、初回のTVer見逃し配信は100万再生を突破し、レビューサイト・Filmarksでは3.7と高水準を獲得している。 【別カット】中島健人と山下智久が主演の各ドラマに大反響 この『しょせん他人事ですから』は、2022年4月と2024年1月に放送され大ヒットした『正直不動産』シリーズ(NHK)に重なる点がいくつもある。『正直不動産』で山下智久が演じた主人公・永瀬財地は、ある祟りに遭ったことで嘘がつけなくなり、バカ正直な不動産営業マンとなる。そのことで、必ずしも会社や財地の営業成績にとって利益にならないこともあるが、相談にくる顧客にとっては、正しい不動産知識を与えられ、心から満足いく住まい選びに繋がっていくのだった。 一方、『しょせん他人事ですから』のドラマ公式サイトで謳われているのは“<超リアル>リーガルドラマ”であること。ネット炎上、SNSトラブル、誹謗中傷といった身近なトラブルを、中島演じる変わり者の弁護士である主人公・保田理が「しょせん他人事」をモットーにしつつ、爽快に、ときにダークにぶった切る。 中島演じる保田は、ふわふわと掴みどころがなく、どんなに困っている人がいても事実に即し、争えない、勝てないと見れば現実を突きつけ、依頼を引き受けることすらしない。依頼者に非があれば無礼な態度を取ってはズバズバと言い放ち、客を逃すことも多々ある。「しょせん他人事」というスタンスだから冷たく思えるかもしれないが、利益を優先せず、実に物事を客観的に、冷静に捉えられているとも言える。 ゆえに、一部の相談者からは正直で偽りが無い弁護士という評判に繋がり、数は少なくともそれを頼りに依頼者が来る。そして一度依頼を引き受けるとなると、法的知識が無く困り果てている依頼人に対し、どんな法的手段が可能なのか、あるいは不可能なのかを明確に提示する。可能な法的手続きの中から順立てて、一つ一つ問題をクリアにし、最終的な解決に持っていく。それは必ずしも裁判で派手に勝利するということに限らず、依頼人が納得でき、常識の範囲内で粛々と勝ち取られるものだ。 依頼人家族だけでなく、訴えられた側の家族関係も左右してしまうが、そのどちらも、問題解決までの過程を通し、あらためて家族がきちんと話し合う大切さなどに気づき、家庭問題すら結果的にまるっと収めてしまうヒューマンドラマでもある。