「なにせクーペは貴重。しかも、そのほとんどが改造されている中で、これは珍しくフルノーマルだったんです」
旧車は「ナマモノ」だ。欲しいクルマに出合ったとき即断しなければ、次のチャンスがいつ来るか分からない。特に生産台数の少なかったクルマはまさにそれで、「見つけたとき」が「買いどき」なのだ。FR最後のサニークーペも、そんな1台。いま買い逃したら、もうチャンスはないかも!? 【画像22枚】伸びやかな純正バイザーもレア。希少性が高まってきている フルオリジナルのB310クーペ。初代B10サニーから続くファストバックのデザインは、4代目にあたるB310にも受け継がれる。型式に「K」の文字が入る(KHB310)のも日産の伝統だ 【1978年 ダットサン サニークーペ1400 SGX-E】 取材したB310サニークーペは、千葉県木更津市にある「TAオート」の在庫車。フェアレディZやハコスカを中心に、日産車の整備やレストアを得意としているショップだ。 「なにせクーペは貴重。しかも、そのほとんどが改造されている中で、これは珍しくフルノーマルだったんです」 と話してくれたのは代表。 入手後は、当時のコンディションを損ねない程度に、外装の傷んでいるところを補修し、可能な0限り当時の状態へと近づける作業を行なったそうだ。 「新品部品が手に入らないのは、どの旧車も一緒。このクーペにはモールやエンブレムなどの欠品がないどころか、オプションのフォグランプやバイザー、フロアマットも付いています。この良さを分かってくれる方に、ぜひ乗っていただきたいですね」 とのこと。 FRサニー最後のクーペ。当時のカタログには「クーペといえばサニー」、「クーペ界をリードしてきたサニーの会心」などのキャッチコピーが躍っている。そのフレーズがうそでなかったことは、目の前にある1台を見れば納得できるに違いない。 1978年式 ダットサンサニークーペ1400SGX-E(KHB310) ●全長3995mm ●全幅1595mm ●全高1340mm ●ホイールベース2340mm ●トレッド前/後1330/1300mm ●最低地上高165mm ●室内長1645mm ●室内幅1345mm ●室内高1095mm ●車両重量875kg ●乗車定員5名 ●登坂能力tanθ0.48 ●最小回転半径4.5m ●エンジン型式A14E型 ●エンジン種類水冷直列4気筒OHV ●総排気量1397cc ●ボア×ストローク76.0×77.0mm ●圧縮比9.0:1 ●最高出力92ps/6400rpm ●最大トルク11.7㎏-m/3600rpm ●変速比1速3.513/2速2.170/3速1.378/4速1.000/5速0.846/後退3.464 ●最終減速比3.889 ●燃料タンク容量50L ●ステアリング型式リサーキュレーティングボール(ギヤ比16.4) ●サスペンション前/後ストラット・コイル/4リンクコイル車軸式 ●ブレーキ前/後ディスク/リーディングトレーリング ●タイヤ前後とも165/70HR13 ●発売当時価格113.4万円 初出:ノスタルジックヒーロー2019年6月号 Vol.193 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
Nosweb 編集部