熊谷商の145キロ右腕 中村謙吾「絶対に負けたくない」好ライバルの存在が成長の要因に/埼玉
熊谷商のエース、中村謙吾投手(3年)は、中学時代からのライバルたちへの意識をむき出しにする。 埼玉西武ライオンズジュニアユース。中学軟式野球の埼玉県選抜チームだ。中学生ながら最速135キロを計測する豪腕だった中村は、3年時に選抜された。当時のメンバーには大宮東・冨士大和投手、山村学園・西川歩投手など、今夏の注目投手が集結していた。 その豪華メンバーの中で中村が背番号1を背負い、県内随一の投手として名をとどろかせていた。しかし、熊谷商入学後はボールに慣れることができず、フォームを崩した。球速も120キロ台に落ち込むなど伸び悩んだ。「その間に冨士や西川は1年生の頃から活躍していて、結果も残していたので悔しかった」と当時の心境を明かす。 それでも「高いモチベーションを維持するためにも、冨士や西川らの存在は大きかった」と、刺激を受けながら地道にトレーニングを重ねた。その成果もあり現在は最速145キロを計測するまでに成長。互いに意識し合いながらしのぎを削ってきた。 ライバルたちとの決着をつける夏になる。初戦で対戦する武蔵越生のエース大野敦士投手(3年)もライオンズジュニアユースのチームメートだ。「あの時のメンバーとの対戦は初めて。大野とは仲が良かったので楽しみ。絶対に負けたくない」。好投手たちのライバル関係が埼玉の夏をさらに熱くする。【野見山拓樹】