再入幕の宝富士、8年ぶり三賞に意欲 2敗で首位キープ、大番狂わせの主役になれるか 大相撲・夏場所10日目
大相撲・夏場所10日目=21日、両国国技館 再入幕で西前頭16枚目の宝富士(37)=伊勢ケ浜=が早々と勝ち越しを決め、8年ぶりの三賞に意欲を見せている。 東前頭10枚目の一山本(30)を寄り切りで下し、大の里(23)=二所ノ関、湘南乃海(26)=高田川=と並んで優勝争いの先頭に立った。幕内連続出場990回と大台目前で無念の十両陥落を味わい、1場所で意地の返り咲き。「とりあえず幕内でもう1回相撲が取れる」とひと安心も「勝ち越しで喜んでいる場合じゃない」と先を見据え、「三賞はひとつしか持っていない。大勝ちすることがないので。どうにか取れないかな。盛り上げてください」と報道陣に要望した。 2016年名古屋場所で敢闘賞に輝いており、46場所ぶりの三賞となれば歴代6位のブランクの長さ。37歳3カ月での受賞は史上7位の高齢記録となる。近大で宝富士の同期だった千田川親方(元前頭徳勝龍)は「トレーニングが好きで、僕が幕下に落ちたとき(昨年夏場所)に教えてもらったら、僕が重いと思う器具も軽々と持ち上げていた。まだまだ体が若い」と衰え知らずのパワーの秘訣を明かす。 米大リーグで日米通算200勝を挙げたばかりのパドレスのダルビッシュとも同学年。「すごいですよね。同世代が頑張っていると刺激になります」という宝富士が、20年初場所で幕尻優勝を遂げた盟友・徳勝龍のような大番狂わせの主役になれるか。 (塚沢健太郎)