“ここからはじまる”日向坂46の新たな歴史、全ての目撃者に躍進を確信させた東京ドーム公演
たくましく成長した四期生が大役を担う一幕も
2日目にはここで一際HappyでMagicalなサプライズも。「One choice」「青春の馬」「君しか勝たん」が立て続けに披露されたのだが、それぞれの楽曲で卒業メンバーである3名がサプライズ登場。「One choice」ではセンターを務める丹生明里が曲中でそのセンターを自身と親交の深い山口陽世へと継承。「青春の馬」では前回のドーム公演を新型コロナウイルス感染により欠場となった濱岸ひよりが「初めての東京ドーム、最高でした!」と涙まじりに思いを伝えてくれ、「君しか勝たん」では1日目の公演で卒業セレモニーを行った加藤史帆が少々申し訳なさそう(笑)に登場しつつ、そのセンターを小坂菜緒へと継承した。この流れには思わず目頭を熱くするおひさまが続出したであろう。 そんな感傷を吹き飛ばす「おひさま!飛べええええ!」の絶叫。声の主はもちろんキャプテン佐々木久美だ。「誰よりも高く跳べ!2020」での渾身のジャンプからシリアスな「アディショナルタイム」で場内の雰囲気をキリリと引き締めると、模造刀を手にした副キャプテン高橋未来虹のソロパフォーマンスの後「錆つかない剣を持て!」を披露。カッコ良さに存分に振り切れる楽曲も今の日向坂46には充実しているのだ。 キャプテンの絶叫に負けじと声を上げたのは、続く四期生楽曲「見たことない魔物」でセンターを務める藤嶌。この後の「絶対的第六感」が本編ラストだったので、期別楽曲をラスト前に堂々と配置できること、そして本楽曲に対するおひさまのコールの熱烈度、今そしてこれからのグループの充実度と層の厚さを存分に知らしめてくれる一幕であった。 先述のメンバー3人の卒業、そして来年には東村芽依の卒業セレモニーも控える中でのドーム公演であったのにも関わらずこの熱量。前進を止めないグループの矜持とおひさまへ寄せられる全幅の信頼が“約束の卵”東京ドームに刻まれ、そしてその殻を破った今、さらなる躍進を誓う日向坂46が進む道に筆者はえも言われぬ高揚を覚えている。 なお楽曲の合間に配置されたMCや各種コーナーではレギュラー番組「日向坂で会いましょう」とのコラボで様々な企画も同時進行的に行われ、メンバーはパフォーマンスとバラエティ的な振る舞いのどちらにも全身全霊で立ち向かい、そしてそれを心から楽しんでいたように思う。なんと芯の通ったカッコいいエンタメ性なのだろう。アンコールの「JOYFUL LOVE」の前にはオードリー・春日のみならず若林までもが登場するという大盤振る舞いで、今はもう、ここまでやってくれたその先が楽しみでしょうがない。 ”ここから、はじまる。行こう、一緒に──。” 全てのおひさまが同じ気持ちになったに違いない。そんなライブであった。 <セットリスト> 日向坂46「Happy Magical Tour 2024」 東京公演2日目・2024年12月26日(水) 東京ドーム 1. 君はハニーデュー 2. Am I ready? 3. 雨が降ったって 4. 真夜中の懺悔大会 5. ホントの時間 6. 夕陽Dance 7. ドレミソラシド 8. ってか 9. ブルーベリー&ラズベリー 10. My fans 11. キツネ 12. アザトカワイイ 13. One choice 14. 青春の馬 15. 君しか勝たん 16. 誰よりも高く跳べ!2020 17. アディショナルタイム 18. 錆つかない剣を持て! 19. 見たことない魔物 20. 絶対的第六感 ENCORE 21. HEY!OHISAMA! 22. JOYFUL LOVE 23. キュン W-ENCORE 24. 卒業写真だけが知ってる 取材・文/庄村聡泰 編集・構成/小島靖彦(Bezzy)