“動物と泊まれる“宿泊プランに「虐待」批判…"日本一危険な動物園"を直撃「人間が好きな子を置いている」
北海道・札幌市にある体験型動物園「ノースサファリサッポロ」で、アザラシなど動物たちと一緒に宿泊できるグランピングプランが“動物虐待”ではないかとX上で物議を呼んでいる――。 ■【画像】「動物がかわいそうすぎる…」の声も、部屋からアザラシが丸見えの「アザラシコテージ」■ 発端は、“アザラシと泊まれる”というコテージを利用したXユーザーが11月3日、写真とともにその感想を報告したことだった。写真からわかるコテージの部屋は、ベッドの真横にアザラシの水槽が直結。まるでアザラシの生活に迷い込んだような空間だった。 宿泊したユーザーは《最初はアザラシも緊張してた》といい、《水族館のアザラシイメージして泊まったけど全然違くて 自分がアザラシを鑑賞する側じゃなくて、アザラシに鑑賞される側でふとした時ちょっと怖かった》と感想を述べた。 ユーザーによると“ほとんどの時間はのんびりしてて可愛かった”というものの、水槽と部屋を仕切るガラスに“目隠し”となるカーテン状ものはなかったとのこと。X上でこの写真を見た人たちからは、 《せめてマジックミラー&防音で、アザラシが人間側を意識しないで過ごせると良いなと思いました》 《こんな劣悪な環境で自由に出入りもできず、毎回新しい宿泊客が来て緊張したり、すごくストレス溜まっているだろうに…》 などアザラシのストレスを心配する声が続出する事態となり、なかには最近コテージを利用したという人から《あまりにも動物たちが可哀想すぎて、泊まらなければよかったと後悔》という声も。同時に“動物虐待なのではないか”という批判が噴出し、3日に投稿されたそのポストは、1.1億回表示されるほどまでに注目を集めた。
■メディア出演多数、「日本一危険な動物園」の“反論”
2005年7月に開園した「ノースサファリサッポロ」は、飼育動物138種類のうち、約半数の動物とのふれあいが楽しめることが最大のアピールポイントだ。 “デンジャラスゾーン”や“デンジャラスの森“があり、ベンガルトラのような猛獣への餌やり体験や、ワニがいる池の上の一本橋をわたるなど、スリリングな取り組みで「日本一危険な動物園」ともいわれ、『天才!志村どうぶつ園』(日本テレビ系)、『所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!』(テレビ東京)などメディア出演も多い。 動物たちと一緒に宿泊できる“新感覚グランピング施設”では、アザラシのほかにもホッキョクオオカミやライオン、ペンギン、ウミガメなどと間近で過ごせるプランが用意されている。今回の炎上を受けて苦情が寄せられたことで、札幌市保健所による施設の立ち入り検査があったというが、法的な“指導”はなし。 本サイトはノースサファリサッポロを運営するサクセス観光に取材を試み、動物プロダクション部担当者に話を聞くことができた。担当者は動物のケアについて「動物に対し深い愛情を持った飼育員が、それぞれの動物に合わせた飼育計画を軸に日々の世話をしている」と答えた上で、こう続ける。 「動物の状況は全員が共有、最善の対策を行なうように心がけています。同じ動物種でも性格に違いがあり、グランピングには人が大好きな子を置くようにしています。昼間はスタッフと遊んだりしています」(担当者=以下同) グランピングの利用者層は「老若男女問わずファミリー、カップル、友人同士の方たち」で、「大変喜んでくださる方が多いです」とのこと。実際、過去のX上に投稿された感想を見ると、 《可愛いよ!凄く可愛いしアザラシと泊まれて良かったよ》 《泊まれる動物園でめちゃ楽しいので子連れにおススメ》 など、好意的な声も多数見受けられる。一方でHPには、 《動物の展示方法について誹謗中傷、SNSなどでの誹謗中傷に関しては法的手続きをとらせていただきます》 との文言があるが、これまでにそうした声を受けたこともあったのか。 「過去には、非常に少数ですが罵詈雑言のようなメールを送ってくる人がおりました。メールを読み返信するスタッフの心労等を考え、このような文言を入れております」 今回の批判を受け、直接園に届けられる声もある。 「半分以上は非常に建設的なご意見でありがたく思っております。またここ数日でいただいたメールのうち、4割ほどは応援のメールで勇気づけられました」 園では寄せられた批判を含め、「ご意見をもとにし、常に改善を行なっていきます」としている。
ピンズバNEWS編集部