クリスマス、ひとりじゃないよ 子どもにケーキを贈る「サンタ」募集
社会的に孤立したり、経済的に困難な状況に置かれたりしている北陸4県(新潟、富山、石川、福井)の子どもたちにクリスマスケーキを贈るプロジェクトが動き出した。「ひとりじゃないよ」というエールとともに、イチゴで彩られた直径約13センチのホールケーキを計3200台、届けることをめざしている。 【写真】「あしながサンタ2024」のチラシ プロジェクト「あしながサンタ2024」を主催するのは、4県の中核的フードバンク4団体でつくる「北陸フードバンク推進協議会」。頼る先の少ないひとり親家庭のほか、生活保護や児童扶養手当を受給するなどしている家庭の子どもを対象に、ケーキを贈ることにしている。 発端は2020年、4団体のうち「新潟県フードバンク連絡協議会」(三条市)が始めたプロジェクト。同団体によると、当時コロナ禍によってクリスマスのケーキやプレゼントが「よそ事」になった子どもがおり、将来への絶望感を訴える声もあったという。街が幸せな雰囲気に包まれるこの時期にそうしたつらい思いをさせまいと、同団体は21年以降も活動を継続。コンビニ大手のセブン―イレブン・ジャパンや県とも連携し、昨年は2758台を届けた。 そうした中で能登半島地震が起きた。1年近く経った今でも、被災地では元のような日常を取り戻せていない子どもも少なくない中、「いしかわフードバンク・ネット」(金沢市)から「ぜひ一緒にやらせてほしい」と要望があった。そこで5回目となる今年は「フードバンクとやま」(射水市)、「福井県フードバンク連絡会」(福井市)とともに初めて4県で一緒に実施することにしたという。 今月6日に新潟県庁で開かれた今年のスタートセレモニーで、山下浩子・新潟県フードバンク連絡協議会長は「一人ひとりの『あしながサンタさん』の支えがあってここまでこられた。今年は4県が手に手を取り合い、子どもたちの命を支えていきたい」と支援を呼びかけた。 寄付金の目標額は1千万円。受付期間は、クラウドファンディングのサイト(https://readyfor.jp/projects/ashinaga-santa2024)が12月20日午後11時まで。振込口座(新潟県労働金庫 本店 普通預金 口座番号5747606 名義:ニイガタコドモミライキキン)での受け付けは、おおむね同月末まで。 ケーキは、応募多数の場合は抽選になる。申し込みは各県のLINE公式アカウントの「子どもの未来応援プロジェクト」で同月上旬まで。問い合わせは、あしながサンタ2024事務局(0256・34・8960)へ。(茂木克信)
朝日新聞社