【ジャパニーズモダンの傑作】デザインの巨匠が生涯をかけて改良した洗練チェア
美しい造形美に、快適な座り心地......。たった一脚でも、住まいを洗練の空間へと昇華させてくれる「名作」と呼ばれる美しき椅子を厳選紹介。今回は、日本のデザイン界を代表する巨匠たちが手がけた名作椅子をピックアップ 【写真】ジャパニーズモダンの傑作椅子5選
長大作の「パーシモンチェア」
国際文化会館の家具デザインを手がけたことでも知られる長大作は、1947年に坂倉準三建築研究所に入所。1972年に自身の事務所を設立後は住宅設計に携わるなど、晩年まで現役建築家・デザイナーとして活躍した。そんな長大作のライフワークともなっていたのが、こちらの「パーシモンチェア」=「小椅子」のリ・デザイン。 ラケット構造(駒入れ加工)を施した初期モデルは、1960年のミラノトリエンナーレで坂倉準三建築研究所から発表された「小椅子」。当時所員だった長大作がデザインを手がけたもので、日本初のラケット構造(駒入れ加工)を用いた革新的な椅子として注目を集めた。この「小椅子」を長大作自ら半世紀をかけて何度も改良重ね、2006年、最後のリ・デザイン版として発表したのがこちらの「パーシモンチェア」である。 有機的なフォルムのバックシートは、柿の実を切った形から着想を得てデザインが特徴で、厚みのある弾力のあるクッションと日本の住宅にマッチするサイズ感も魅力。張り地は豊富なカラーが揃うファブリックやレザーのほか、トリエンナーレに出品した初期モデルのカラーリーングを再現した「トリエンナーレモデル」がラインナップ。
「パーシモンチェア トリエンナーレモデル」¥86,900/メトロクス メトロクス TEL. 03-5777-5866 BY EMI ARITA