【ライブレポート】優河がバンドとともに“Love Deluxe”を鳴らした一夜「自分の愛し方がわからなくても大丈夫」
優河の東名阪ツアー「Love Deluxe Tour 2024」の最終公演が9月20日に東京・WWW Xで行われた。 【ライブ写真】「Love Deluxe Tour 2024」東京公演の様子 「Love Deluxe Tour 2024」は9月にリリースされたアルバム「Love Deluxe」を携えて行われたツアー。大阪・Music Club JANUS、愛知・Tokuzo、そしてWWW Xの3カ所で開催された。 ■ 根暗も踊れるダンスアルバム「Love Deluxe」 この日のバンドメンバーである岡田拓郎(G)、千葉広樹(B)、谷口雄(Key)、光永渉(Dr)とともに登場した優河は「遠い朝」でライブをゆったりとスタートさせ、オーディエンスを心地よい揺れに誘っていく。その後も5人は「Sunset」「夜になる」とメロウな楽曲を続け、テクニカルな演奏と艶のある歌声で聴衆を魅了。「夜になる」では岡田がギターを激しく鳴らしたのを皮切りにバンドの演奏がヒートアップし、楽曲が終わった瞬間にフロアから大きな歓声が沸き上がった。 本人曰く「根暗も踊れるダンスアルバム」であるという最新作「Love Deluxe」の収録曲も多数披露されたこの日の公演。蠱惑的なアフロビートがフロアを揺さぶる「Don't Remember Me」では、優河がカラフルな照明を浴びながら妖艶に体をくねらせ、観客の視線を釘付けにした。さらに優河は「友達とただ飲んでるだけで救われる夜ってありますよね」という言葉に続けて「Petillant」をパフォーマンスし、「夏の窓」ではギターを手に取りバンドメンバーとともに幻想的な世界を作り上げた。MCで優河が「『Love Deluxe』が皆さんの手に届くまで、どういうふうに受け取られるかなとドキドキしてて。今までは静かな曲が多かったんですけど、今回はプロデュースを岡田拓郎くんが……」と語ると、フロアからは拍手が起こり、それを受けた岡田は言葉ではなくギターの音で喜びを表現した。 ■ 「私もわからない、大丈夫」 優河は「好きなように踊って、好きなように楽しんでください」と告げ、「手紙」「Mother」などローテンポのナンバーを続けて披露。どこを切り取ってもたおやかな歌声とサウンドが届けられ、会場中はしっとりした空気で満ち満ちていく。優河は改めてアルバム制作の過程を振り返り「今までは誰か違う人に愛情をかけるほうが得意だったんですよ。自分のことは愛し方がイマイチわからなくて。でもすぐに自分は変われないけど、ちょっとずつ今までのことを許して、それを含めて自分を抱きしめてあげるような歌が作れたらなと思って」と語る。そして「自分の愛し方がわからない人いると思うんですけど、私もわからない、大丈夫」と優しく言葉をかけ、「魔法」をじっくり奏でた。 ライブ終盤「Tokyo Breathing」が演奏されると、ミラーボールが回転し、高揚的なムードが会場を包み込む。ラストには極彩色のライティングが蠢くステージからディスコティックな「Love Deluxe」が届けられ、オーディエンスは思い思いに体を揺らしてそのパフォーマンスを全身で堪能した。アンコールの拍手を浴びて再登場した5人は「灯火」を演奏。繊細なサウンドと伸びやかな歌声で観客を酔いしれさせ、ライブを締めくくった。 ■ セットリスト □ 「Love Deluxe Tour 2024」2024年9月20日 WWW X 01. 遠い朝 02. Sunset 03. 夜になる 04. fifteen 05. June 06. Don't Remember Me 07. Petillant 08. 夏の窓 09. 手紙 10. Mother 11. 泡になっても 12. Lost In Your Love 13. 魔法 14. 香り 15. Tokyo Breathing 16. Love Deluxe <アンコール> 17. 灯火