日本発「曲がる太陽電池」が開発加速、関連の有望11銘柄
日本で開発された"曲がる太陽電池"ことペロブスカイト太陽電池、政府は2030年までに普及させることを目指している(写真:Science Photo Library/アフロ)
日揮ホールディングス(1963)は折り曲げられる次世代型電池「ペロブスカイト太陽電池」の実証実験を北海道苫小牧市の物流施設(倉庫やサイロなど)で始める。物流施設での実験は国内初となる。 凹凸上の屋根や壁面向けの新たな設置方法を開発、発電効率を検証するほか、寒冷地でのデータ収集も行う。実証は設置場所である苫小牧埠頭と京都大学発のスタートアップであるエネコートテクノロジーズと共同で行う。 エネコート社はペロブスカイト太陽電池の技術材料や成膜技術を持ち、2023年4月にはモジュール変換効率19.4%という高効率のフィルム型ペロブスカイト太陽電池の開発に成功している。また、日揮HDは2023年5月にエネコート社に出資した。 日揮HDは2012年に太陽光発電事業に参入、再生可能エネルギー分野で国内屈指の発電所建設実績を持つ。ペロブスカイト太陽電池を実用化することで、これまでは対象にならなかった屋根や壁面を使った新たな発電所の開発に乗り出す。 近年、太陽光発電では大規模開発の適地が少なくなってきていることが課題となっているため、新たな開発に期待がかかる。また、窓と壁など一体化した太陽光発電については、環境省が2024年度以降住宅やビルの施工業者を対象に助成を行う計画だ。
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野津 滋