本田らブラジルW杯戦士は4年後も代表で活躍できるか?
4年に一度のワールドカップは、選手たちにとってもひとつの節目となる。コロンビア戦後の取材エリアで内田が代表引退を示唆したことがすでに大々的に報じられているが、ザックジャパンの主軸を担ってきたFW本田圭佑(ACミラン)やDF長友佑都(インテル)は、4年後のロシア大会では32歳になる。 ザッケローニ監督はおそらく退任し、今後に決まる新監督のもとで新たな日本代表のスタートが切られることになる。岡田武史前監督のもとで戦った南アフリカ大会から主軸の大半は変わらないが、水沼氏は「それでも代表引退という言葉を自ら口にしてほしくはない」とこう続ける。 「本田や長友、岡崎はもちろん4年後もできると思うし、4年後を目的に据えないと彼ら自身が成長していかない。ブラジルで味わわされた悔しさを彼らがどのようにして晴らすのか、ということにかかってくると思う。できなかったということをまず認めて、自分の中で自問自答を繰り返し、その上でもう一度立ち直るしかない。例えば長友は左サイドで数多くのチャンスを作って得点に絡むスタイルだけれども、ストロングポイントはウイークポイントと表裏一体だ。後半の3失点も、すべて長友が攻め上がった日本の左サイドを突かれている。攻め上がった分だけ背後にリスクが生じるわけで、そこをどのようにケアして守っていくのかを、これからはもっと考えないといけない」。 ザックジャパンはコロンビア戦が行われたクイアバからベースキャンプ地のイトゥに戻り、4年間に及んだ活動を終えて解散する。ヨーロッパ組は思い思いのオフで充電し、きたる新シーズンに備える。ブラジルでの戦いに対する答えが見つかったときに、ある者は所属クラブでのプレーに専念し、ある者はロシア大会へ向けた戦いをスタートさせることになる。 サプライズで招集され、最後はレギュラーとしてチームを牽引した大久保は今年32歳。水沼氏は本田たちに「まだ年齢うんぬんの段階ではない。もっと結果を出し続けてほしい」とエールを送る。「ワールドカップのように対戦相手のレベルが上がれば上がるほど、いろいろなことがシビアな状態で見えてくる。そこで何ができるかだと思うし、彼らにはあきらめてほしくない。ヨーロッパのトップリーグでもっと、もっと伸びていく姿を見せることで、例えば国内でプレーするJリーガーにさらなる刺激を与えてほしい。若い選手たちが近づきたいと思う存在であり続けることが大事だと思う」。 国際カレンダーでは、次なる日本代表の試合日程は9月5日に札幌ドーム、同9日に日産スタジアムで国際親善試合が組まれている。対戦相手も、日本代表チームを率いる監督、招集されるメンバーもすべてが白紙の状態だが、呼ばれる可能性を持つ選手たちにとって、足踏みをしている時間もそれほど多くはない。 (文責・藤江直人/スポーツライター)