本田らブラジルW杯戦士は4年後も代表で活躍できるか?
アルベルト・ザッケローニ監督に率いられた4年間で積み重ねてきたスタイルに絶対の自信を添えて、日本代表はブラジルの地における戦いに臨んだ。選手たちが異口同音に発してきた「自分たちのサッカー」を簡潔に説明すると、次のようになる。 「自分たちがボールを保持する時間を長くして主導権を握り、テクニックと瞬発力、組織力、あるいはインテリジェンスを駆使しながら、スピードに乗って相手の守備陣を崩す戦い方を継続していく」。 コートジボワール戦では高い位置のサイドにボールホルダーを追い込む組織的な守備が機能せず、常に後手を踏む戦い強いられた末に逆転負けを喫した。ギリシャ戦における日本のボールポゼッションは68%に達したが、これはギリシャの注文通りであり、リスクを冒す勇気を欠いたがゆえにペナルティーエリア内へ侵入していく回数がほとんど訪れなかった。 そして、文字通りの完敗に終わったコロンビア戦を含めて、水沼氏は「志を持ってチャレンジしてきたことはよかったと思うけれども、そのスタイルで挑戦する段階までには至らなかった」とブラジル大会における3試合を総括する。 「要は積み重ねてきたものを、出すことができなかった。フィジカル的な部分と運動量で相手を上回らないことには無理だと、個人的には考えていた。攻撃と守備の両方で『厚み』を出せなかった原因を、もう一度見直す必要があると思う。今後志向していくサッカーはいままでの継続でいいとは思うけれども、一方で違う引き出しも用意していく必要がある。今大会ではひとつの引き出しの中に、ひとつのやり方しか入っていない状態だった。それが通用しないというか出せなかったときに、違う戦い方というものを出せなかった。世界の強豪と呼ばれるチームと戦う経験や、そういう舞台における駆け引きの部分でまだ足りないものがあったと言わざるを得ない。守備的、攻撃的と単純に分ける話ではなくて、ときには守備的に戦う必要はあるだろうし、ゲームの中で状況に応じて考えられるような選手がもっと出てきてほしい」。