「天国でもねじねじを巻いておいて…」60年来の仲間・加賀まりこから中尾彬さんへ贈る言葉
映画やドラマ、バラエティー番組などで幅広く活躍した俳優の中尾彬(なかお・あきら=本名同じ)さんが、心不全のため16日に死去していたことを22日、所属事務所が発表した。81歳だった。 * * * 中尾さんの死去を受け、1964年に映画「月曜日のユカ」で共演した女優の加賀まりこ(80)が22日、スポーツ報知の取材に応じ、故人との思い出を振り返った。 60年近くにわたり、同じ世界で生きてきた仲間の訃報に加賀は「ずっと一緒にやってきた、同年代の人が亡くなるのはとても残念です」としみじみ。「昔の話、私たちの世代の“共通言語”で話せる人がいなくなるのは寂しいです」と言葉を絞り出した。 「月曜日のユカ」で中尾さんは、主演だった加賀のボーイフレンド役を務め、話題を集めた。当時について「お互い駆け出しの俳優と女優。本当にたくさんお話をさせていただきました」と回顧。印象に残っているやり取りを聞いても「本当にたくさん話したから…」と思いを巡らせ、選び切れない様子だった。 中尾さんと最後に会ったのは2、3年前だといい、「番組で共演した時だと思う。相変わらずダンディーで格好良かったですよ」と明かした。その際も、昔話に花を咲かせたという。 加賀自身は中尾さんの1歳年下だが「しょうがないでしょ。私たち80代にとって、明日は我が身ですよ」とポツリ。先に旅立ったかつての“ボーイフレンド”に向け「天国でもスカーフ(ねじねじ)を巻いておいてほしい。巻いといてもらわないと中尾さんなのかどうか、分からないじゃないですか」と加賀らしい粋な言葉を贈った。(松下 大樹)
報知新聞社