歴史的事件!甲子園で審判の判定が覆ったのは高校野球変革へのサインなのか?
SNS上でも高校野球ファンは、今回の“判定撤回”に対して「素晴らしい」「正しい判断」「大人がいい手本を見せた」など、概ね支持するコメントが多かった。中には、「これまで覆したことがないのに地元だから行ったホーム判定だ」というような皮肉めいた意見も少数あったが、「今後、高校野球もVTR判定を入れるべきだ」という今後への提案の方が目立った。 プロ野球ではリクエスト制度による映像を使ったリプレー検証が導入されるようになり、ストライク、ボール以外の誤審は、ほぼなくなりつつある。その時代の流れの中、高校野球だけで誤審が放置されるのは時代錯誤である。高校野球が教育の一環であるならば、なおさらである。地方大会では、この2、3年、判定を覆すケースが見られていたが、甲子園でも、ついに判定を覆したことは、今後の判定にも影響を与える大きな“判例”となる。 この決断の裏には、球数制限の論争なども含めて高野連が新時代の高校野球に変えようとしている“サイン”があるのだろうか。 元プロ野球出身の高校野球監督第1号で、瀬戸内高校の監督時代に甲子園出場経験がある後原富さんは、「テレビで見ていたが、明らかな誤審だった。審判の力量不足。これまでなら、そのまま押し通していたものを覆したのは、素晴らしい決断だと思うし、これからも、そうしていかねばならない」という意見。 さらに、こうも提言した。 「元々、高校野球の審判は人によって技術のレベルがバラバラで全体的にその技量は低い。しかも高年齢化という問題も生まれつつある。プロ野球もリクエストを導入しているのだからVTR判定は導入すべきでしょう。また時間短縮も兼ねて監督に抗議権を与えてもいいと思う。今回、甲子園で判定を覆したことが、高校野球が変わっていくきっかけになればいいのだが」 映像設備が整備されていない地方大会では難しいかもしれないが、甲子園では、リプレー検証の導入も不可能ではないだろう。フェアプレー精神が、高校野球の根底にあるのなら映像を使った判定についての議論を進める必要がある。