復興拠点内の「駅西住宅」47戸が完成 福島県双葉町
福島県双葉町がJR双葉駅西側に整備してきた町営の「駅西住宅」のうち、建設中だった47戸が完成した。先行して出来上がっていた39戸を含め、計画の全86戸がそろった。東京電力福島第1原発事故に伴う特定復興再生拠点区域(復興拠点)内にあり、帰還や移住を進める「住む拠点」となる。1日、新しい47戸への入居が始まり、住民に鍵が引き渡された。 今回、建設された47戸は南エリアにある戸建て21戸、タウンハウス(集合住宅)26戸。1日現在、22世帯26人(町民15人、転入11人)の入居が決まった。 鍵の引き渡しは町役場新庁舎で行い、伊沢史朗町長が入居者代表の長谷川久三子さん(48)に鍵のレプリカを手渡した。長谷川さんはいわき市から古里の双葉町に戻る。「双葉の自然が好きでまた暮らしたいと思っていた。生まれ故郷に戻れてうれしく思う」と笑顔を見せた。 駅西住宅は県が代行整備し、2022(令和4)年10月から北エリアの39戸で順次入居が始まった。町によると、町内居住者数は5月1日時点で82世帯105人。駅西住宅には今回完成した分を含め60世帯74人(町民36人、転入38人)が暮らす。町内では町民らが住む受け皿の確保が課題となっており、町は今後さらなる住宅整備を検討する。