【特集】パリオリンピックでメダルを!なでしこジャパン攻守の要・FW田中美南 GK山下杏也加
「女子サッカーの未来に繋がるプレーを」ベテランの視点で見るオリンピック
所属するINAC神戸レオネッサではキャプテンを務める田中選手。30歳を迎えた今シーズンのWEリーグでは、スピードと強さ、そして課題だったフィジカル面でも順調な仕上がりを見せました。さらに、最大の武器である得点力に加え、アシストを意識するようになりました。味方をうまく活かすことが、ベテランの域に入った田中選手の新たなプレースタイルとなりました。 田中「日本代表にも選ばれている立場で、自分の代表での結果が女子サッカーの未来にも繋がるということを意識せざるを得ない年齢になりました。サッカー選手としてのキャリアをどう終えるかというのを考えるフェーズに来ていると思います。フォワードって点を取ったらヒーローになれるポジションなので、自分のサッカー人生の集大成とも言えるオリンピックで点を取って、チームを救えるように頑張りたいです」
日本の守護神・山下杏也加選手
なでしこジャパンの守備の要となるのは、INAC神戸レオネッサに所属するゴールキーパーの山下杏也加選手。2021-2022シーズンのWEリーグ初年度にMVPに輝いた守護神です。日本代表では2015年にデビューし、長らくなでしこジャパンの砦としてゴールを守り続けています。高い身体能力が武器で、ピンチの時には果敢に体を張ってチームを救ってきました。 山下「決定的な場面を阻止して相手が悔しがっている姿を見ると、心の中で“よっしゃー!”と思います。WEリーグの他のキーパーと違うシュートストップだったり、キャッチへの追及だったり、次の自分たちの攻撃に繋がるキャッチの美学を見てもらいたいです」
“山下の1ミリ” 背景にはリオの悪夢と若手への思い
山下選手といえば記憶に新しいのは、今年2月のパリオリンピック・アジア最終予選で見せた“山下の1ミリ”。北朝鮮選手のヒールシュートに素早く反応し、ゴールラインギリギリでかき出すファインセーブでした。ビッグプレーの背景には、8年前の経験がありました。 山下「試合の前に2016年のアジア最終予選のことが頭をよぎったんですよね。リオデジャネイロオリンピックの出場を逃して、会場に足を運んでくださった人たちをがっかりさせてしまったことや、選手たちに罵声が浴びせられた嫌な記憶がよぎって。同じ経験を今の若い選手たちに絶対にさせたくないという思いで試合に臨んだから、多分あのプレーが出たのかな」
“死のグループ”にも気後れせずチャンピオンを目指す
まもなく開幕を迎えるパリオリンピック。なでしこジャパンはスペイン・ブラジル・ナイジェリアと同じ“死のグループ”と呼ばれる予選グループCに入りました。初戦は世界ランク1位のスペインが待ち受けていますが、頼れる守護神に、気後れなど一切ありません。 山下「自分は1位にしか興味がないというか、1位にしか価値がないと思っているので。初戦のスペインに必ず勝って、自分たちがオリンピックチャンピオンになりたいなと思っています」 (「あすリートPlus(読売テレビ)」6月16日放送)
読売テレビ