夏ドラマで最も輝いた次世代女優は? ブレイクを果たした役者(5)色気がヤバい…強烈な演技で存在感を発揮
今期の夏ドラマも良作が目白押しだった。恋愛ドラマや医療ドラマなど、さまざまな作品が私たちを楽しませてくれた。とはいえ、内容もさることながら、やはり気になるのは出演する俳優だ。主役級のスターも良いが、隠れた未来のスターに目を向けてみるのも一興。今回は、2024年の夏ドラマで印象に残った、ネクストブレイク俳優を5人ご紹介する。第5回。(文・あまのさき)
『笑うマトリョーシカ』田辺桃子
水川あさみ主演ドラマ『笑うマトリョーシカ』(TBS系)で、櫻井翔演じる清家の学生時代の恋人・美恵子を演じた田辺桃子。田辺といえば、これまでにも『リコカツ』(TBS系、2021)や『恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~』(日本テレビ系、2021)などで存在感を発揮していたが、今回の美恵子役は強烈だった。 恋人である清家の特殊な“能力”に気付いた美恵子は、清家を自分に依存させ、思いのままに操る。清家の母親・浩子(高岡早紀)の前でも決して良い恋人のふりはせず、彼は自分のものであるという態度を貫く。その時の蛇のようにまとわりつく視線が忘れられない。 偽名を使っていたことなどが明らかになるも、現在では行方不明になっている美恵子。そのため、中盤にはほぼ登場しなくなってしまうのだが、クライマックスに向けて記者の道上香苗(水川あさみ)により明かされた様々な事実とともに、彼女はまたゆらりと姿を現す。 これが本当に不気味だったのだ。年齢よりも大人っぽく見える田辺が、やや気だるげにしているときに湧きたつ色気は危険な香りがする。 過去作を並べると、役の幅が本当に広い。これからもその魅力でかき乱してくれることに期待したい。 (文・あまのさき)
あまのさき