新潟・早川 復活の時 大病から復帰後最高フィジカル 30日G大阪戦 J1残留の力に
J1新潟は27日、聖籠町のアルビレッジで、30日のホームG大阪戦に向けて非公開の練習を行った。直近の公式戦3試合にベンチ入りしているDF早川史哉(30)は、白血病からの復帰後ではフィジカル面が最もいい状態に仕上がっている。今季残り2試合で進化の兆しを見せ、J1残留に貢献して来季につなげる。 今夏に度重なるケガを負った後、約2カ月のリハビリ期間で上半身の可動域などを改善した早川は、その効果を実感している。「やっと自分はこういう選手だというのを、本当に表現できそうな気がする」と手応えを語った。 大きな変化が「病気から復帰して一番いい」と断言するフィジカル面だ。19年10月に急性白血病から復帰して以降は体の状態を“病気前”とは決して比較してこなかった。「そこは絶対見ないようにしていた。そこを見だしたら正直プレーがどうしようもなくなっちゃう。(病気前の)基準でやったら(体の動きが)全部遅れてとんでもないことになる」 もちろん新しい基準で常に全力を尽くしてきた。ただ「考えてプレーもするけれど何か違うなって。もっと本能的に、体がいけるという時にいっていたのが自分」とモヤモヤとした気持ちが付きまとっていた。 それが今「めちゃくちゃ体が動いていた」という筑波大時代や新潟に加入した16年の開幕前と比べてもいい状態になりつつある。可動域が広がり、理想とする体の動きに近くなってきて「8年後にしてやっとそこと競争でき、そこをさらに超えられるって感じ。ワクワクしている」とニヤリと笑う。 フィジカルの向上は時間の余裕にもつながっている。動きがスムーズになり「連続したプレーの中で時間的な余裕ができた。その時間で今まで考えられなかったこと、見られなかったことまでできる」と感覚的な部分も研ぎ澄まされている。 出場こそないが、直近の公式戦3戦連続でベンチ入りしているのが、周りも好調を認めている証拠。「いい準備はできている」。G大阪戦でJ1残留をつかみ取り、来季は飛躍にチャレンジする。