Sは複数形ではなく“進化系”! ジープのニューモデル「ワゴニアS」が最高峰に待ち遠しい
英語では、名詞にSを付けると複数形になるが、ジープ「ワゴニア」にSを付けると“進化形”になるようだ。 ▶︎すべての写真を見る 日本に未導入のワゴニアは、2021年に復活したフルサイズのSUV。全長5.2mの「グランドチェロキーL」より大きい、約5.5mというジープブランドの最高峰モデルだ。
サイズもフォルムも、良い意味で“らしくない”
そのワゴニアにSのついた、「ワゴニアS」がこのたび発表された。といってもワゴニアよりぐっと小さく、むしろグランドチェロキーに近いサイズのBEV(電気自動車)だ。 見た目もワゴニアよりはグランドチェロキー寄りというか、かなり先鋭的。というか、とにかく格好いいのだ。
エンジンを冷やすための空気を取り込む必要がなくなったブランド伝統の7スロットルグリルは、遠くからみてもワゴニアSだと分かるように光るイルミネーションになった。 リアのルーフラインは大きく傾斜し、クーペのように美しい。しかも美しいだけでなく、流麗なフォルムはジープブランドでも空気抵抗を最小限に抑えて、燃費ならぬ電費向上に貢献している。
ドアを開ければ、インストゥルメントパネルを覆うディスプレイが目に飛び込む。 中央のディスプレイにはFCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)が開発した、5世代目となる最新の車載インフォテインメントシステム「Uconnect 5」が搭載され、助手席の搭乗者は目の前のディスプレイで車内の音楽を操作したり、ドライバーに代わってナビの目的地を設定したりできる。
もちろん、ドライバーはステアリング奥のディスプレイにさまざまな情報を映し出せるほか、ディプレイの上、つまりフロントウインドウにもフルカラーで速度やナビ情報を映すことができる。
ジープのトップたる走破性とラグジュアリー
満充電での航続可能距離は300マイル(約483km)以上。600馬力を発揮するモーターを搭載し、前輪と後輪を別々に制御する全電動4WDがそのパワーを受け止め、オンロードでもオフロードでも、最適な車両姿勢や駆動力配分を行ってくれる。 だから停止状態からわずか3.4秒で60mph(約97km/h)に達するほど凶暴な加速力を発揮するスポーツカーとして、ハイウェイを疾走することができる。 一方でジープブランドらしく、5つのドライブモード(オート、スポーツ、エコ、スノー、サンド)から適切なモードを選ぶことで、あらゆる天候や道路状況に対応してくれる。だから海遊びや山遊びもガンガン楽しむことも可能だ。
さらにジープブランドの最高峰モデルにふさわしく、マッキントッシュの最高級オーディオシステムが用意されたり、アルミニウムをはじめとした金属加飾が惜しみなく備わり、シートヒーター&ベンチレーションを備えたシートが前後に備わる。もちろん、最新の運転支援機能も搭載される。 2024年秋、つまりもう間もなくアメリカとカナダで発売され、その後世界中に販売される予定だという。果たして日本にも導入されるのか? 小さいジープ(アヴェンジャー)は間もなく日本へやって来そうだが、ワゴニアSの朗報も待ちたいところだ。 籠島康弘=文
OCEANS編集部