終末期の患者さんが「後悔すること」から見えてくる、「幸せに逝く」ために必要な4つの準備
緩和ケア医が遭遇した、終末期の患者さんが後悔すること
ここから、私が看取りをしてきた方が後悔していた22項目を整理した中から、そのごく一部を紹介します。これらの中に、あなたが死に際に後悔しそうなことがあるでしょうか。それはどれですか。解決策は見出せそうでしょうか。 すでに不可能なこともあるかもしれませんが、できることがあれば後悔を減らすべく行動に移していきましょう。そうすれば、不意打ちが多いのが人生ではありますが、その中でも、なるべく後悔の少ない一生を送ることができるのではないかと思います。 ●やりたいことをやらなかったこと やりたいことをやらないと、最期に後悔します。やりたいことは、さっさとやるべきです。「人生はあっという間であった」とは、私の接した患者さんたちの少なからずが言い残された言葉です。そのため、やりたいことはどんどんやらないと「あっという間に」人生の最期の日が来てしまいます。 我慢に我慢を重ねてしまう人がいます。そしてまた、見えない鎖に縛られすぎていることも少なくないように感じています。 我慢し続けて良いことなどこれっぽっちもないというのが私の考えです。「あっという間に」人生の最期の日が来るという事実を直視すれば、度を越した我慢がいかに不適切なものかが理解されます。 私もたくさんの方の最期を見届けてきましたが、「都会での暮らしを捨てて、高原で第二の人生を自然とともに生きることを実践した男性」「最期の瞬間まで、自分の作品に心血を注ぎ込んだ男性」などは間違いなく輝いていました。死に顔は穏やかで、後悔などほとんどなかったのではないかと思われます。 後悔しない生き方とは、自分を取り戻すことです。言うは易く行うは難しかもしれませんが、その殻や鎖から少しだけ自由になることから始めてみましょう。
構成/金澤英恵