【毎日書評】小手先の「ブランディング」では、うまくいかない本当の理由
ブランディングと農業の共通点
著者は本書において、ブランディングと農業には共通点が多いと指摘しています。つまり、どちらも一貫性を持ち、手間ひまかけて育てるものだということ。しかも一度きりではなく、継続して行うものなのだそうです。 農業は、土壌を育て、収穫量を決め、種を植え、根を育て、手入れをして、収穫をして、次の仕込みをします。どこかの工程が抜けたらいいものはできなくなりますし、途中で何かを変えたら一貫性がなくなります。(25ページより) たとえばイチゴ用の土壌を整えて種を植えたのに、途中からキャベツのような育て方や手入れをしてしまったとしたらどうなるでしょう? 当然のことながら、それではイチゴは実らなくなります。 ブランディングも同じです。企業の基盤を整え、目標を決め、価値を組み込み、組織を育て、選択と集中をし、成果を分け合い、次の挑戦に向かうという工程があります。(25ページより) つまりそこには農業のように、“適切な手順”があるということ。なんとなく目標を決めてみたり、部分をいじってみたりしてはいけないのです。そういう意味でこれは、ブランディングについて考えるうえで重要なポイントとなるようです。(25ページより) ブランディングを俯瞰できる本書は、経営者やマネジャーのみならず、ブランディングを教養として学びたい人の役にも立てるだろうと著者は述べています。問題に振り回される状況から脱するためにも、読んでみる価値はあるかもしれません。 >>Kindle unlimited、2万冊以上が楽しめる読み放題を体験! 「毎日書評」をもっと読む>> 「毎日書評」をVoicyで聞く>> Source: 白夜書房
印南敦史