どエンタメ怪獣映画『ゴジラxコング 新たなる帝国』に物申す!!
【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】
まず、「弩級(どきゅう)」という言葉の“ド”って、イギリスの巨大戦艦、ドレッドノートの頭文字を取って、(概念としても含めて)巨大なものを“ド級”と呼ぶようになったそうなんですよね。 この、今回鑑賞した『ゴジラxコング 新たなる帝国』も、マジでド級。 ハリウッドだしシリーズでいうと「モンスターバース」でくくれば5作目という、このままマーベルやハリポタ、SWに並ぶ、作品群になるとみられるモンスター作品(上手いこと言ってみた!)。 褒めている人が多そうなので、僕も大満足だったのですが、あえて「ここがもうちょっと…」を、書いてみようと思います。 まず、ゴジラの手足が長過ぎる!コングとの共闘を描くため、バランスを取るためには必要だった工夫だとは思うのですが、やっぱりゴジラには短い手と太い足で「ズシン、ズシン」て歩いて欲しい。 予告にも出てるカットなので言っちゃいますが、ゴジラとコングが並走するシーン、マジで人が走ってるようにしか見えない。ゴジラが手ブンブン振ってダッシュしちゃダメでしょ。 なんなら、今回のキーキャラクターであるモスラも、手足いっぱいあるのに、人間ぽかったから、モーションキャプチャーだったんではないかと、思いました。 自分が昭和生れなせいか、着ぐるみとか特撮、操演の方が怪獣モノの“味”だと思っていて、モーションキャプチャーに頼りすぎていると「中の人」を感じ、少し萎えます。 もうひとつは、ゴジラとコングが「脅威」ではなくなって、ヒーローとして描かれ始めていること。 原作の描き方としては、ゴジラは「現代社会の脅威」の象徴であって、コングは「自然の脅威」なんですよね。今回そこに、つまんない悪役出して、2匹に共闘させたというのは、エンタメとしては「そうそう!」、文学としては「もうちょっとヒネってくれ!」という印象でした。 あ、ちょっと褒めるとすれば(全体的には大好きなんですよ)、西洋ゴジラのイグアナっぽさが、今回、海のシーンでずっとカッコよかった。ああいうシーンが「ハリウッドの予算で作られたドエンタメ」といったビジュアルで「もうこれで、1900円払って満足」という感覚。 ここから、ゴジラシリーズやモンスターバースの入口に入るのに、とてもお勧めな作品でした!