米下院が「つなぎ予算案」否決 トランプ氏要求反映に身内からも反対
米連邦議会下院は19日、ジョンソン議長(共和党)が提案した2025年3月までの政府運営資金を手当てする「つなぎ予算案」を否決した。トランプ次期米大統領の要求を反映し、連邦政府の借金限度額を定める「債務上限」への対応を盛り込んだが、民主党だけでなく身内の共和党からも反対が出た。現行のつなぎ予算の失効期限は20日で、政府機関が一部閉鎖される懸念が強まっている。 【写真まとめ】トランプ次期政権の人事 主な顔ぶれ(2024年11月現在) ジョンソン氏はつなぎ予算案に、債務上限の適用停止期限を現行法の25年1月から27年1月まで2年間延長することを盛り込んだ。トランプ氏は自らが運営するSNS(ネット交流サービス)で「素晴らしい取引(ディール)だ」と支持する考えを示したが、共和党が多数派を占める下院でも通過できなかった。 トランプ氏は18日、超党派で合意を得られる見通しだった当初のつなぎ予算案に反対する考えを表明した。19日には米ABCテレビのインタビューに「債務上限を何とかしない限り、何も承認されない」と明言。これを受け、ジョンソン氏がトランプ氏の意向を反映した新たなつなぎ予算案を策定していた。 現行法では、25年1月に債務上限の適用が「復活」し、連邦政府は新たな借金ができなくなる。 1月20日に発足するトランプ次期政権は、政府の手元資金が枯渇するまでに、債務上限を引き上げたり適用を再停止したりする法案を成立させる必要がある。つなぎ予算案で適用停止期間を延長しておけば、政権運営が楽になる。【ワシントン大久保渉】