幼児期に英語を始めると日本語に影響が? 子どもの英語力を高めるために親がやるべきことは
英語をやると日本語がおかしくなる?
幼児期に英語を始めるというと、いぶかしげな顔をする大人がいるのはなぜでしょうか。「英語の前に日本語が大事」とよく言われ、筆者もそのように考える一人です。実際、親が英語教育に傾倒し乳幼児を英語漬けにし過ぎて、それゆえに後々国語力と学習全般に遅れが出たという例は身近に聞いたことがあります。日本語で教育を受ける予定の一般的な子どもたちにとって、母語は確かに大切です。 まるで『ハリーポッター』! 世界も注目する、日本に開校した“超名門イギリス寄宿学校”ならではの魅力 ですが、「だから幼児期の英語は不要」というのは極論ではないでしょうか。 幼児期から日本語と英語両方の言語をうまく伸ばしている子どもたちもいます。日英うまく伸ばせた家庭とそうでない家庭の違いはなんでしょうか。まず幼少期から英語を”やっていない”家庭の例で考えてみると分かりやすいです。
国語力が低い原因は本当に英語…?
幼児期に英語教育を一切取り入れていなくても、家庭での会話が乏しく家で読み聞かせを行っていない家庭では、子供の国語力が低い傾向にあります。「英語なんかやっている場合じゃない」と言われても仕方がないかもしれません。 しかし、豊かな母語を育むことに親が充分な意識を向けながら英語も取り入れるのであれば、日本語がおかしくなるなんてことはありえません。早期英語教育の弊害が起きる環境条件は限定的です。 実際、乳幼児に英語を与える家庭は元々教育に関心が高いことが多く、国語教育にも時間をかけつつ英語を上手に取り入れていることがほとんどです。そうやって日本語と英語両方の言語を育てています。私たち親は、子どもに英語を与える・与えない、白か・黒かという二者択一で考えるのではなく、豊かな日本語を育みつつ英語も取り入れる方法を考えれば良いのではないでしょうか。何事もバランスですね。
学校英語だけでは足りないリスニング
英語教育改革で一段と難しくなった学校英語を考えても、日本語重視を理由に英語を取り入れないという決断はお子さんの為にならないかもしれません。 英語に全く触れずに育ち英語を聞くのは小学校の授業だけという子に、リスニングテストをやらせるのは酷な話です。お子さんにどんなにやる気があっても、ことリスニングとなると英語の音に日々触れてきた子にはかないません。早く始めるほど、無理なく膨大な量の英語を耳にすることができます。 さらに、幼児期から英語に触れる一番のメリットは「英語の音」の入り方です。英語の音に無理にカタカナやローマ字を当てはめるような聞き取り方ではなく、英語の音とリズムをそのまま素直に聞くことができるのです。 幼児期から英語の音を日常的に聞いて育った子どもたちは、一般的な日本人が聞き分けられないであろう英語をいとも簡単に聞き分けることができます。 日本では英語ができる親ほど「英語は後からでも身につくから今はまだいい」と話すことがあるのですが、そんな親御さんも学生時代はリスニング学習に時間を取られたことと思います。幼児期から英語に親しんでおけば、リスニング学習にかける時間を国語や算数に回すことができます。