【漫画】コンビニで働いていたら前職のパワハラ男が登場、アルバイトの青年が取った行動は?
転職活動中のコンビニ店員と新人アルバイトのやり取りを描いた『がんばれバイトくん』が2024年11月にpixivにて投稿され、多くのコメントが寄せられるなど注目を集めている。静かで無口なバイトくんであったが、その正体は意外なものでーー。 【漫画】コンビニで働いていたら前職のパワハラ男が登場、アルバイトの青年が取った行動は? 『がんばれバイトくん』 環境になじめない境遇にいた2人を丁寧に、あたたかく描いた本作の作者・イナバさん(@1nab_)はSNSに漫画作品を投稿しつつ、商業作家としても活動している人物。本作を創作したきっかけ、漫画を描きはじめたきっかけなど、話を聞いた。(あんどうまこと) ーー本作の投稿には多くのコメントが寄せられています。反響の感想は? イナバ:「続きが読みたい」という感想が多く、驚きました。17ページの短い作品ではありますが、作品のつづきが見たいと思える2人になっていたのだと思い、非常にうれしかったです。 ーー本作の続きを描く予定はある? イナバ:続きを読みたいという声をいただくことができ、ぼんやりと構想もあるので、描けたら描きたいです。 ーー本作を創作したきっかけは? イナバ:本作はコミティア(一次創作物の同人誌即売会)に出展したいと思い創作しました。ただ、あまり時間がなかったので16ページほどの作品なら描くことができると思い、これまで描こうと思って考えていた物語の真ん中部分を切り出し、本作で描きました。 主人公のアルバイト先にいる変な人が、実はちょっとすごい人だったというお話にしたいと思い、まずは弱そうな人が誰かを投げ飛ばすところを考えました。自分のためにではなく、結果的に他人を助けるお話になればいいなと思っていました。 ーー少し変わった男性として登場した黒江さんを描くなかで意識したことは? イナバ:人間のことが好きでも嫌いでもない、人間に興味がないところです。人とどう接したらいいかがわからない。ならば真面目に生きていくなかでなるべく人と関わらず、かつ一攫千金を狙える仕事はなにか……。その答えが殺し屋だったのかなと思います。 ーー本作を描くなかで印象に残ってるシーンは? イナバ:最後に殺し屋のボスが登場するシーンです。黒江さんに文句を言う上司は絶対にクセがつよい人であろうと思っていたので、いい感じで物語が終わるのではなくボスの登場シーンを描きました。 ーーボスに怒られる黒江さんの目つきが好きです。 イナバ:職を失うことに恐怖感を覚えていたのだと思います。 ーー漫画を描きはじめたきっかけを教えてください。 イナバ:出産を機に仕事を辞めて、暇ができたので二次創作の漫画を描きはじめました。当時は『ワールドトリガー』(集英社)が休載していた時期で、その時期に作品を読みたいと思いながら二次創作を描いていましたね。ただ連載が再開されると創作から少し離れるようになりました。 そんななかコロナ禍を迎え、直接だれかと会うことが減ったときに友人が「描いた漫画を読みたい」と言ってくれて。その子に娯楽を提供できればと思い、オリジナルの作品を描くようになりました。その子に見せるために漫画を描いていました。 ーーSNSに漫画を投稿したりコミティアに出展するようになった経緯は? イナバ:「誰かが自分の作品を読んで、笑ってくれたらいいな」というノリでSNSに投稿するようになりました。マンガを通して知り合った友人がコミティアに出展している子で「怖いなら一緒に出てあげる」と言ってくれたので一緒にコミティアに参加するようになりました。 ーー現在は商業作家としても活動しているかと思います。その経緯は? イナバ:コロナ禍の当時、SNSで二次創作を描くクリエイターを対象とした「同人占い」が流行っていました。私も占ってもらうと「商業で漫画を描いた方がいいよ」と何度も言われて。そのあとにSNSから応募できる漫画賞などに応募したらいくつか入賞し、気が付いたら商業でも漫画を描くようになりました。占い師さんの後押しとタイミングがとてもよかったのだと思います。 ーー漫画を描きはじめる前と今で日常に変化はある? イナバ:スマホで身近な写真を撮ることが増えました。背景に使えそうな景色とか、面白いポーズを撮影するようになりましたね。またドラマや本を見たあとに「私はここが好きだった」と感想を残すことも増えました。絵やお話づくりが上手な人と比べて私は漫画の経験値が少ないので、できるだけ経験値を積みたいと思っています。 ーー今後の目標を教えてください。 イナバ:漫画をお仕事として描きつづけることが1番の目標です。そのなかで作品を読んだ人の気持ちがほんの少し緩んで、ちょっと楽になるような作品を描きたいです。コロナ禍で自分はエンタメに気持ちを救われたので。
あんどうまこと