原石よりも輝くダイヤ探し 芸能プロダクションが20代若手女優を求めるワケ
NHK朝ドラ「ひよっこ」の有村架純(24)をはじめ、今年も20代若手女優の活躍が目立つ。昨年末に発表された「2016年ブレイク女優ランキング」(オリコン)でも1位に高畑充希(25)、2位波瑠(25)、3位広瀬すず(18)、4位土屋太鳳(22)、5位二階堂ふみ(22)、6位松岡茉優(22)、7位清水富美加(22)、8位吉岡里帆(24)、9位上白石萌音(19)、10位川栄李奈(22)と、10人中8人が20代。近年だけの傾向ではなく、10代後半から20代前半ぐらいの旬な若手女優に注目が集まるのは芸能界の常だ。
特にNHK連続テレビ小説のヒロインとして活躍した「まれ」の土屋、「あさが来た」の波瑠、「とと姉ちゃん」の高畑といった朝ドラ勢の活躍は目立つ。松岡、清水、吉岡、川栄も朝ドラ出演経験者だ。NHKの朝ドラは全国区で注目を集めるので知名度上昇につながるという部分と、もともと期待のかかる有望な若手女優をキャスティングしているという部分、両面があるのだろ。
芸能界は原石ではなく、すでに輝いているダイヤを求めている
昨年、芸能界において”美の殿堂”といわれる名門事務所オスカープロモーションが、「ミス美しい20代コンテスト」を開催したことが話題になった。約4万名の応募の中から、福岡大学在中で空手が得意という是永瞳(21)がグランプリに輝いた。 オスカーといえばモデルはもとより上戸彩、米倉涼子ら美人女優を多数輩出してきた。1980年代後半から継続している「全日本国民的美少女コンテスト」が有名だが、同コンテストは10代女性が中心。「ミス美しい20代コンテスト」は、20代女性を対象に”ダイヤの原石”ではなく、すでに輝いている”ダイヤそのもの”を探すというコンセプトで開かれた。その背景には、「同世代の女性に支持される女優の発掘」という、オスカーの緻密なマーケティング戦略がのぞく。 「個人のキャラクターにもよりますが、アイドル的人気が色濃い10代より、大人になって実力が伴ってくる20代のほうが同世代女性の共感や支持を得やすい。ところが成長にしたがって、上戸彩のように結婚してしまうケースも出てくる。結婚後も、独身女性にはできないママタレ的活動などができるようになってはくるが、ママタレは激戦区。20代の独身女性という層に厚みを持たせることで、若いOL向けのCMなどが獲得できたり、といった可能性が広がってくる」と分析するのは、テレビ情報誌の編集者。
今後ブレークするのは誰?
また、女性の支持のみならず、近年は10代中心のグループアイドルが芸能界に多数台頭している状況に、「ティーンエイジャーでは子どもすぎて萌えない」という大人の男性層の支持も狙えるだろう。 「今年ブレークの期待がかかる女優には、“岡山の奇跡”と呼ばれCMなどで続々起用されてきた桜井日奈子をはじめ、10代のころからモデルとして人気を博してきた中条あやみらの名前があがっています。ともに20歳とフレッシュ」とはアイドル誌編集者。 盛者必衰の芸能界で生き残るのは並大抵のことではないが、今年も旬な若手女優に期待したい。 (文・志和浩司)