【阪神】昨季リーグMVP右腕が甲子園で今季初勝利「1年間、活躍するだけなら誰でもできる」青柳からの金言胸に
◆JERAセ・リーグ 阪神1ー0広島(9日・甲子園) 4万2601人の観衆をほれさせた。100周年のメモリアルイヤーを迎えた甲子園の今季初戦。阪神・村上頌樹投手(25)が7回2安打無失点で今季初勝利をつかんだ。「低めに丁寧に投げられた。勝ててよかった」。チームは甲子園での広島戦は、クライマックス・シリーズを含めて11連勝。勝率5割に復帰した。 今季初登板の前回の2日、DeNA戦(京セラD)は3回5失点。昨季、ポストシーズンを含めた24度の先発で1度もなかった初回に4失点するなど、不完全燃焼に終わった。この日は4回、矢野に11球粘られても「ゾーンで勝負する」と、ストライクを先行させた。最速149キロの直球と最遅87キロの変化球を駆使し、凡打の山を築いた。昨季セ・リーグMVP&新人王右腕の快投で、岡田監督は阪神で通算483勝目。歴代2位の吉田義男氏にあと1勝に迫った。6連戦の初戦で7回を投げた村上に「だから6連戦のアタマ(を任せている)。いい投手と当たると思うけど、勝ち切るのはすごく大きい」と、たたえた。 3月7日、自身も意欲を口にしていた開幕投手を逃し、オフに青柳からもらったひと言を思い返した。「1年間、活躍するだけなら誰でもできるよ―」。初めてローテを完走した翌年、苦しんだ経験を持つ先輩からの愛のある金言。だから飛躍を遂げた昨季を経ても「まだ1年だけ」と言い切れる。「来年こそ開幕投手に選ばれるように」。プロ4年目の大きな原動力だ。 自身も聖地での広島戦は通算4戦4勝。「ファンの声援がすげえな、と。また来週も投げられるように」と、かみしめた。センバツ優勝投手に輝いてから8年。やはり甲子園のマウンドがよく似合う。(直川 響)
報知新聞社