【現役ドラフト】DeNA移籍佐々木 千隼は“復活”できるのか? プロ入り直後に語っていた「意識改革」
8日、第2回の現役ドラフトが行われた。その中でロッテからDeNAに移籍となった佐々木 千隼投手(都立日野-桜美林大)。 ドラフトでは外れ1位で5球団が競合の末、ロッテへ。大きな期待を受けていたが、活躍したのは2021年の1年のみ。54試合に登板、8勝1敗26ホールド1セーブ、防御率1.26の好成績を残したが、その後はケガもあって登板機会を減らしていた。今季は2試合の登板に終わっている。 【一覧】現役ドラフト結果 佐々木は新天地でドラフト目玉候補と呼ばれた輝きを取り戻せるのか。ドラフト指名直後のインタビューにはそのヒントが詰まっている。 (インタビュー初掲2016年10月27日) ************ ――都立日野高校では3年夏の準々決勝で強豪・日大三を3失点に抑える好投を見せるも惜敗。2年冬には東京選抜の一員に野手として選ばれてアメリカ遠征を経験するなど、当時から注目される存在ではありましたが、すでにプロを意識していたのでしょうか。 佐々木:いえ、いえ、全然です。高校のときは甲子園に行きたい、強豪校に勝ちたいと思ってやっていましたけど、プロなんて少しも考えていませんでした。都立日野高校は練習場所は校庭で、ほかの部と共用ですし、時間も学校がある日は4時前くらいから始まって、全体練習は7時過ぎくらいまで。そこから自主練習をしたりしますけど、遅くても9時くらい。 嶋田 雅之監督は他の高校がやっていることだったり、いろいろな練習を取り入れてくれていましたけど、そこまで自分を追い込んでやっていたという記憶もありません。大学でも野球が続けられたらいいなって。本当にそれくらいでした。 ――それでも投打のポテンシャルの高さは多くの人が評価していました。 佐々木:バッティング(高校通算33本)は好きでしたけど、12年秋に参加した東京都選抜は、秋の大会の試合で打ったホームランをたまたま見てもらっただけだと思います。いざ、ほかの選ばれた選手と一緒にやってみたらすごいやつばかりでしたからね。自分はまだまだなって痛感しました。特に今、広島で活躍している鈴木誠也(二松学舎大付)は投げるのも打つのも別格で、こういうやつがプロに行くんだろうなと思いました。 でも、そういう選手を見て意識が変わった部分はありました。こんな上のレベルの選手がいるんだなって。自分も都立日野では先頭に立ってやるくらいじゃないといけないのかなと。ランニングもあまり速くないんですけど、一生懸命走って1番で帰ってこようとか、少し変われたかもしれません。 ――そこを境にピッチャーとしても力をつけていくわけですか。 佐々木:というより、そもそもピッチャーを本格的にやり出したのは3年の春頃からなんです。それまでも練習試合とかでは投げていましたけど、結果を残せていませんでしたし、そこまでピッチャーにこだわりがあったわけでもありませんでしたからね。でも、本格的にピッチャーになったといっても知識も乏しかったですし、何か特別な練習をしたとか、トレーニングをしたというのはありません。 自主練のときにダッシュ系のランニングを繰り返したり、ただがむしゃらに頑張っているだけでした。あとは体重が増えづらかったので練習前や終わった後などに母親が作ってくれたお弁当を食べたりはしていましたけど、それも食トレというほどのものではなくて、食べれば体が大きくなるかなくらいの意識でした。都立日野は上下関係もそんなに厳しくないですし、高校時代は楽しくやっていたという感じでしたね。 ここまでの話を聞くと、全国ならば、どこにでもいるような高校球児で、ここからプロ入りする選手になっていくだろうというイメージはまだ沸いてこない。佐々木が野球選手として、投手としての意識が劇的に変わるのは桜美林大に進学してからになる。