アベノミクス以降で最も弱い「世界景気の瞬間風速」に懸念
「50割れ」予備軍も多数
世界経済は米国の独り勝ち状態といわれますが、製造業PMIが50を超えている国の割合を計測すると、このところの弱さの広がりが浮き彫りになります。1月は公表済みの31か国中、10の国が50割れとなり、50超の割合は2016年前半と同程度へと低下しました。また前述のドイツ、日本などに加えて、メキシコ(50.9)、ロシア(50.8)、タイ(50.2)と50割れ予備軍も多数存在します。その他では1月に50を回復したフランス(51.2)が再び50割れとなる可能性があるほか、EU離脱(Brexit、ブレグジット)交渉の難航で英国(52.8)が急落のリスクに晒されています。 PMIの50という数値それ自体が、実体経済における真の分岐点に整合するわけではありませんが、「50.0」と「49.9」では市場関係者の印象は随分と異なります。グローバル製造業PMIが50を割れた時、金融市場が条件反射的に崩れ、日本の株式市場などに影響を与えることに警戒が必要です。
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