オドーア加入で大激戦! 巨人復活のカギ握る「外野レギュラーバトル」
その秋広ですが、中日に移籍した中田翔と今年も一緒に自主トレを行いました。25日、ジャイアンツ球場に姿を見せた秋広は、自主トレ中、中田からこんな言葉を授かったと語っています。 ―– 『去年1年やって自信も出てくるけど、1年で終わる選手はたくさんいる。ここからどんどん去年より大事なシーズンになると話してもらった』 ~『中日スポーツ』2024年1月25日配信記事 より ―– 尊敬する中田からもらった「去年1年だけじゃ、活躍したうちには入らない。ブレイクした翌年こそ勝負の年だ」という言葉。もちろんそのことは秋広本人がいちばんよくわかっているでしょう。監督からの叱咤激励と、先輩からの金言を胸に、さらなる飛躍を目指します。 センターのポジション争いについては、本当に横一線です。阿部監督が「楽しみにしている」というドラフト3位ルーキー・佐々木俊輔(24歳)は、174cm、80kgと体格こそ小柄ですが、50m走は6秒フラット、遠投110mという俊足強肩が売り。バッティングもミートが巧く、パンチ力もあるという走攻守3拍子そろった選手です。帝京高校→東洋大学→日立製作所とアマの名門チームを渡り歩いてきただけあって、物怖じしないところも阿部監督好みかも知れません。 キャンプは1軍スタート。もし佐々木が開幕戦でスタメンに抜擢されると、巨人の“新人開幕スタメンセンター”は1938年(戦前)の三田(さんた)政夫以来、実に86年ぶり。外野手全体に広げても、1998年の高橋由伸以来26年ぶりの快挙となります。 また明るいキャラクターも魅力の1つ。11月23日に開催された「ジャイアンツファンフェスタ2023」で、今季のルーキーたちがユニフォーム姿をお披露目した際、佐々木はこんな挨拶をしました。 ―– 『愛称はおさるのジョージでやらせていただいています。これからジョージと呼んでください。よろしくお願いします』 ~『週刊ベースボールONLINE』2023年11月29日配信記事 より ―– レギュラー獲りに関しても、名前が挙がっているなら狙いたいと意欲満々。その意気やよしです。ベンチを活気づかせてくれる存在になるかも知れません。 一方、対抗として期待されているのは、今年で高卒2年目、2022年のドラフト1位・浅野翔吾(19歳)です。プロ1年目の昨シーズンは7月に1軍デビューを飾り、8月には初のスタメン出場。プロ初アーチも放ってみせました。まだまだ覚えるべきことは多いですし、プロの体づくりもこれからですが、こちらも物怖じしない、雰囲気のある選手です。 残念ながら、昨年は腰のヘルニアが悪化し秋季キャンプを途中離脱。順調に回復しつつありますが、キャンプは大事を取って3軍スタートとなりました。本人としては悔しいでしょうが、誰もがポテンシャルを認める選手。焦らず体調を万全に戻せば、チャンスがめぐってくるかも知れません。 浅野は14日、イチロー氏が兵庫県内で行った自主トレに参加。高松商2年のときにイチロー氏の指導を受けていますが、それ以来、約3年ぶりにアドバイスをもらったそうです。 ―– 『同じ背番号51を背負い“師匠”の「常に全力」を座右の銘としている浅野は「どの球を待って打つか?」「追い込まれてどういう対応するか?」などを具体的に質問。イチロー氏の答えは秘密とした浅野は「イチローさんの期待に応えられるように頑張っていきたい」と前を向いた』 ~『東スポWEB』2024年1月17日配信記事 より ―– 浅野が目指すのは、イチロー氏のように「1番打者」としてヒットを量産し、チャンスメイクをすることです。イチロー氏からどんなアドバイスをもらったかはわかりませんが、大きなヒントをもらったはず。昨年末には、こんな抱負も語っています。 ―– 『入団時は3年後、5年後にレギュラーを取りたいと考えていましたが、今は2年目の来年から、もちろん1軍に同行して試合に出場したいです。心がけたいのはいい意味で、がめつくやっていくことです。試合中は先輩についていくという気持ちではなく、自分のプレースタイルを前面に出して、自分が打って活躍する、点を奪う。そういう強い気持ちを一層持って来年はやっていきたいです』 ~『スポーツ報知』2023年12月20日配信記事 より ―– 思えば、この浅野のようにレギュラー獲りへの意欲をむき出しにする若手が、昨シーズンは少なかったかも知れません。センターでは2022年のドラフト2位で慶應大時代、東京六大学リーグで三冠王に輝いた萩尾匡也もキャンプ1軍に抜擢。彼も阿部監督が期待する1人です。 選手たちがさらなる高みを目指し、ハイレベルな競争を繰り広げていくことで、チームは強くなっていきます。ベテラン・若手野手・ルーキーによる激烈な外野のポジション争いは、王者・巨人復活のカギを握っているのです。